パラセッションで同時アナウンス
Teamsで別々に立っている3つの会議に同時にアナウンスする方法を試した.
◆テスト2021/02/15
◎道具・環境
自分PC(WinPC)
→ 3つの会議を立ち上げる: 自分アカウント
4台のモニタPC: WinPC X 2 , Chromebook X 2
→ 3台はそれぞれに別の会議に参加: ryu-ele-teams2アカウント(モニタリング用)
→ 1台は会議には参加せず,チャネルでの書き込みチェック&予備
◀◀ 結果としてあまり必要なかったが念の為
小さいがマイクx2,ステレオx4の合計10入力が可能
AUX OUTあり
https://gyazo.com/c175748ce584e7e0b6bacd25eb539d03
AUX OUTを複数のPCに分岐する
https://gyazo.com/321ad5ad063154a49a3a7d51ded8ace6
PCの内蔵サウンドカードの動作が不安定な場合に接続した.
https://gyazo.com/e937fc1c65b71438cea5c49e2752df9a
老舗ブランドだけに動作が安定している
専用のコンパネでいろいろ設定できる:OSのリミッターはカットできなかった
外部I/Oなのでよけいなノイズが飛んできにくい(USBバス由来のノイズは防げない)
TRRS4極プラグとIN/OUTの3極プラグの両方に対応しているのがなにげに便利
◎ミキサの設定
接続関係
CH1 <— マイク
CH2 <— 空き
CH3,4 <– PC01
CH5,6 <– PC02
CH7,8 <– PC03
CH9,10 <– モニタPC
※モニタPCの出音をミキサに放り込むことに気づかず、ミキサの出音と聞き比べるためにいちいち差し替えていた。あほや。
FX OUT —> ヘッドホンアンプ In
MON OUT, MAIN OUT —> 空き(!)
レベル調整
#1.のfxレベルを上げる(このミキサのFXはポストフェーダー):センター固定
FXトータルレベルもセンター固定
#1のフェーダもセンター前後
#3,#5,#7,#9レベルは聞きたいチャネルを上げる
phoneレベル、マスタレベルは直列なので両方を調整:
phone=max--, master=0前後
※ヘッドホンへの出音があまり大きくない
※会議を視聴しているとノイズ乗ってるのがよく分かる.上と関係してS/N比が悪くなっている
→ 理由は不明.回路,ルーティング,モニタPCのサウンドカード等
ヘッドホンアンプ調整
個別のPC特性(厳密にはPCのサウンドカード特性)に対応するのはヘッドホンアンプでの調整
★落とし穴:ボリュームを上げすぎるとマイク入力が過大になりWindows側で自動音量調整が入ってしまう. → 音量をさげられた上に戻らなくなる!!
対策:低いところからはじめる.PCのmmsys.cplのマイク画面でレベルメーターとにらめっこし,80%程度にmaxをもってくる. ▼▼ は例
https://gyazo.com/d1dc0ecc1b4fa9936d2194b9d98092af
結果として写真のように,12時より右にはならない程度がよいという結論.
https://gyazo.com/aa9d5361a024b841b7e3ed9644767c16
◎難点
PCによってマイク音量を自動調整しやがる!腹立つ!
※過大なレベルに反応するらしい.
デバイスを挿抜することでリセットがかかる
が,レベル過大だと同じことになる
なので, まずレベルを下げておき,徐々にUP(上述)する調整方法が有効
◎使用所感
1本のマイクで並列している3つの会議に対して同時にアナウンスをするシステムを試した.
PC毎にサウンドカードの特性が異なるためレベル調整には注意が必要だが,調整後は特に問題なく運用できることが確認できた.
複数の会議への同時アナウンスは特殊な場合にしか使う機会はないが,カンファレンスので一斉スタートや最後の挨拶など,わざわざ一つの会議に全員を集めることなくアナウンスできるのは,複雑なカンファレンスであればあるほど,有用だと思う.今年は実際の3会議並列の発表会にはシステムが間に合わず,使用したのは単一会議の修士論文公聴会だった.
複数を試すことはできなかったが,モニタリング用アカウントのマイクとして話をし,自分の声を自分アカウントのPCへの出力として聞き取ることができた.
非常に手頃なデバイス(ミキサ,ヘッドホンアンプともに1万円以下)で構成することができたので,かなり満足だ.
ミキサを使うことで,本格的なマイクを使えたのも,明瞭な声を届けることができた.
※今回使ったのはShure SM58という超メジャーなダイナミクマイク
※ミキサがファンタム出力機能があるので,コンデンサマイクも接続可能(そこまでは必要ないが)
複数のPC音声を1つのヘッドホンで効くことができたのは有用だった
修士論文公聴会は単一会議なので,発表時にはスピーカで流しても良かったかもしれない.
実際にやっていないのでハウリングするのかしないのかは不明
※同室の計時PCが常にマイクONのためFeedbackする可能性はある
今後は,効果音,サウンドロゴなどが一斉に流したい.
全体開始・終了の合図
拍手音はあるとそれなりに気分は盛り上がると思われる
ポン出しアプリやハードウェアがあればそういう設定も簡単だろう.
課程/学科特有ののサウンドロゴはないので,作ろうかな?
https://gyazo.com/894e1870dcfaca0118a7599f3ada8812
◎さいごに
オンライン会議においては,映像送出よりも音声デバイスのトラブルの方が多く,しかもトラブると深刻で,会議が進まなくなる.今回複数のPCについて音声の調整をしてきたが,映像よりもサウンドデバイスはPCにより多種多様で,個々の調整にはかなり時間を割かれることになった.
特にWindowsでは入力レベルを調整するいわゆるリミッター機能が勝手に働き,それをキャンセルできないという状況が生じた.
これには入力レベルが過大だと認識すると動き出すようで(確証はない),調整では低いレベルからそろそろと上げていき,これくらいかなというところを見極める必要があった.
正直こんな職人芸をOS相手にしなければならないのは情けない.もし過大入力でサウンドカードの機能を壊す(?ありうるのか?)ような自体が生じても,わかって使っているならばそれは自己責任だ.勝手にリミッターを入れてくれと頼んだ覚えはない.
そういうよけいなことをしやがるOSなので,外づけの高品位のサウンドカード&ドライバを用いるべきだと,強く感じた.
現在デスクトップPCに接続しているのはRME Babyface Proというものだが,ドライバでのルーティングやレベル調整が精密にできる.S/N比も高く,信頼できる.ただし高価(約10万円).
もちろん今回は「ありモノで構成する」ことにこだわったために本格的な外部I/Oを用いることはなかった.
唯一,簡易的なサウンドI/OとしてSoundBlaster Play!3というUSBサウンドカードを使ったが,例のリミッターを切ることはできなかった.(なぜ?)
が,内蔵カードよりは振る舞いが安定していたために,そのまま採用した.
しかし普通に「思うように言うことを聞いてくれる」サウンドシステムを構成するとすれば,すべてのPCにしっかりした外部サウンドカードを採用する方がよいだろう.
多くのPCにとってサウンドはネックになっている.本格的に音楽を聴くわけではなく気軽にオンライン会議するレベルであっても,やや複雑なシステムを組もうとするとなにかとトラブルにつながる.
安定した音周りを確保するにはそれなりの工夫とスキルが必要だと痛感する次第である.
もう一つ,今回の立役者はなんといってもコンパクトミキサだ.
4系統のINPUT,モニタ用ヘッドホンを含み2系統のOUTをすべて調整可能
チャネル数が少なくてもMAINOUTの他にFX OUTがあるのは本当に助かった.