★参考:木刀と鞘を揃えたい方へ
自宅での稽古に,木刀と鞘を揃えたいという方への情報です.
◎木刀
殺陣では稽古に木刀を使います.
ここでは木刀の選ぶポイントについて考えていきます.
★サイズ: 木刀はほぼ2サイズです.
木刀は大刀(100cm程度)と中刀(90cm程度)があります.
※小刀もありますが片手剣なので別スキルが必要です.
殺陣の稽古では,中刀が扱いやすくてよいです.
中刀は,剣道で小学生の型の練習用に指定されます
https://gyazo.com/af986ace713d558dae9e69c9ef918645
※ちなみに,お土産屋さんにあるのは大刀(100cm程度)で,作りがいい加減なので,ボツです(^_^).
◎中刀がよい点は,以下の通り.
大刀よりも扱いやすい
抜刀納刀がしやすい
かなり狭い空間でも稽古できる
刀としての稽古ができる( 脇差や小刀ではない )
軽すぎない
✘中刀のデメリットはあまりありませんが,いきなり大刀を持たされた時に戸惑います.
見え方が小さい ← 最大の欠点かな
大刀に持ち替えた時,納刀抜刀(特に抜刀)に手こずる
下段の構えや切り下しで地面との距離感が少し違う
大刀の木刀・模擬刀は重くなる
※竹光ならほとんど重さは変わらない
★材木の種類: 木刀の材料はいろいろあります.
一般向け:木刀のほとんどは白樫か赤樫です.
白樫:価格は安めですが,赤樫よりもやや重いです.
赤樫:白樫よりはやや軽く,硬いが粘りもあります.
これらの材料なら,安いものは2千円台~5千円で購入できます.
女性向け:椿・イス・ブナもよく使われます.やや軽いので,女性・子供向けと言われます.
樫に比べるとやや値が張ります.
特殊:桐:素振りや型の確認に使われます.非常に軽いので殺陣の振り付けにも合いますが,強度は弱いので,実際に打ち合うと折れやすいです.
逆に軽いため,泊を貼るか塗装すれば,竹光の代わりとして芝居に使えなくないです.
(本格的な時代劇はちと無理がありますが)
高級品:琵琶,紫檀,黒檀,スヌケなど高級材は超高価( 5万~10万超 )です.
高級品の多くは,密度が高く硬いです.キメが細かいのでずっしりして美しいですが,硬い故に割れが生じやすいです.
さらに稽古に使うと相手がビビります(^^).
ロールスロイス相手にカーアクションするみたいな……
こういうものは持っているだけで心豊かになりますので,余裕がある方は素振りや型の稽古用によいと思います.
※ちなみに私,だんぷてぃ・ダイは父の形見としてスヌケの木刀を持っています.たしかにずっしりして心が引き締まります.(残念ながら火事にあったためひび割れと捻れが生じています……)
★選び方: はじめは安いものでよいと思います.
ただし,Amazonで1,000円とかのめちゃ安のものはやめましょう.理由は以下の通り.
反りがいい加減 → 一般に売られているプラ鞘に合わない
柄(持ち手)の形状がいい加減 → 木刀用鍔が合わない
ヨジレてる → まっすぐな素振りができない
バランスが悪い → 極端に先端ウェイトなどは振っていて不愉快
安心できるのは剣道具や武具をたくさん扱っている店です.
※ネットでもリアル店でも同じ
殺陣の場合は寸止めが原則ですが,振付けによっては当てますし,勢いでガッツリ打ち合ってしまうこともよくあります.稽古刀はすぐにボコボコになります.
※形や本番を想定した場合は竹光刀を使います.しかし竹光は折れます(^_^).
★刀の選び方をまとめると,次のようになるでしょうか.
1. 慣れるまでは安い中刀とプラ鞘で
2. 形ができてきたら大刀
3. さらに模造刀でちゃんとした納刀・抜刀
4. 本番に使ってもらえるようになれば,慣れるため竹光刀
◎鞘
殺陣は刀( 竹光刀 )を想定して抜刀納刀するので,その稽古には鞘が必要です.
鞘なしでも殺陣の稽古はできますが,鞘のさばき方も身につける必要があります.
特に納刀抜刀は殺陣のもっとも華やかな瞬間の一つです.
本番以外は木刀でやりますので,木刀用の鞘が必要になります.
https://gyazo.com/884fb165fe4f8f1978a78b6e5db6812d
なので,劇団√根では木刀には鍔と鞘をつけることを前提に稽古をします.
★プラ鞘を買おう(選択の余地なし)
木刀用の鞘は,実用に耐えるのはすべて軟質プラスチック製のものです.
日本で一般に売られているものは大刀用のものばかりで3,500円くらいします.
※正直,材料費を考えるとボッタクリ感は否めません.
← あるショップで2000円で売っているのを見つけました.サイズも選べます.
※手刺剣道防具専門店kendo-master.com
ただし,プラ鞘は大刀用のものを購入しておくといいでしょう.
大刀用のが長ければ,鯉口を切って短くすればよいからです.
※柔らかい塩ビのような素材なので,カッターで慎重に切れば自分でできます.
ネット検索すると,厚紙や100均のプラ刀の鞘をくっつけたりして自作する猛者もいますが,手軽とは言えません.
ショップによっては鞘と木刀セットで少しお得に販売しているところもあります.
※木製の鞘をセットで売っているケースもあります.が,木製の木刀鞘は大柄で,重く,殺陣には向きません.
なお,プラ鞘の鯉口はたいてい切りっぱなしで,けっこうギザギザしているので,ヤスリなどで滑らかにしておくのがよいと思います.
また,次に述べる鍔との合わせ部分はまったく考慮にいれられていないので,そのままだと鍔止め(刀でハバキと言われる部分)が鞘には収まりません.
なので鞘の鯉口と,鍔止めに一工夫が必要になります.
◎鍔(つば)と脛巾(はばき/鍔止め)
木刀にも鍔をつけることができます.
「木刀 鍔」で検索すれば,プラスチック鍔とゴム鍔止めが安価で出てきます.
高価な本革製の鍔もありますが,殺陣にとって木刀は所詮稽古用ですから,プラ鍔で十分と思います.
鍔止めはたいてい丸みを帯びたゴム製のものです.
https://scrapbox.io/files/6130997d2db820001de89ec1.png
が,これが曲者で,
プラ鞘に収まらない&かっこ悪い!
なので,劇団√根では交換しています.
https://scrapbox.io/files/61309736c83366001dd584c7.png
ちょっとハバキっぽいでしょ.
※作り方はこちら → 木刀鞘の脛巾を作る ← 未完……
★参考:
劇団√根に保管してあるものを実費でお譲りします(カッコ内は参考価格)
※商売しているわけではありません.送料等を含めた実費です.
木刀:中刀(参考: 2500円程度)
プラ鞘:中刀用,下げ緒つき(参考:2500円程度)
角帯:模様・色は指定できません(参考:1000円程度)
腰紐(帯下に巻く):模様・色は指定できません(参考:500円程度)
家で稽古セットとしては,
中刀+プラ鞘+角帯で 6000円程度
中刀+プラ鞘で5000円程度
になります.新たに発注することも可能です(2週間程度)
◎おすすめセットとしては,当方で加工したものがあります.
★劇団√根の木刀メニュー
※加工賃が加算されるので,セットで7,500円程度になります.
※あくまでも,一緒に稽古をする人にお分けしていますが,興味がある方は,
gekidan.root@gmail.com
まで連絡を下さい.
★舞台本番に向けて,竹光・模造刀(居合刀)を考える方には,こちら ↓↓
★参考:模造刀・竹光刀
2021/7/27