コンドルセのパラドックス
Antoine、Belle、Charlesの三人がいます。この三人に、ルイ14世への3つの処罰に関する選好を決めてもらいます。
・頭をギロチンで落とす
・王位に戻す
・一般市民として自由を与える
Antoineはギロチン>王位に戻す>自由を与える
Belleは王位に戻す>自由を与える>ギロチン
Charlesは自由を与える>ギロチン>王位に戻す
の選好を決めたとしましょう。
ここで彼らに3つの質問を投げかけるとそれぞれの回答は以下になります。
Q1. ルイ14世をギロチンにかけるか、王位に戻すか
A1. ギロチンにかける(Antoine, Charlesが選択)
Q2. ルイ14世を王位に戻すか、自由を与えるか
A2. 王位に戻す(Antoine, Belleが選択)
Q3. ルイ14世をギロチンにかけるか、自由を与えるか
A3. 自由を与える(Belle, Charlesが選択)
つまり、結果がひとつに定まることの無い奇妙な状況が発生します。ギロチンが王位に戻すことに勝ち、王位に戻すことが自由を与えることに勝ち、自由を与えることがギロチンに勝つ。
わかりやすく図式化すると、選択肢にA、B、Cがあり、投票者は3人いる。
ってなった時に、どの選択肢がいいと思っているかは次の通り
Aさん:A>B>C
Bさん:B>C>A
Cさん:C>A>B
多数決(一人一票での選挙)をすると、ABCが同率一位になるので結論が出ない。 そこで選択肢を2つ比べてみても...
AさんとCさんを比較する
「A>C」となっているのは、Aさんだけ
他の二人はC>Aとなっている
だから全体的には、C>Aと言える
これが全てのパターンで永遠に循環する
アローの不可能性定理で説明された、公平な投票制度の条件のうちの一つ、「選択肢がAとBなら、個人の意見はA>B、B>Aである。また、選択肢がABCとあればもちろんA>Cも成り立つ」という条件に当てはめると循環してしまう。 public.icon