VRにおける3DCGコンテンツの制作方法
3DCGコンテンツは,実際の映像ではなく3Dモデルでゼロから作り出したものを指し,主にゲーム等で使われている.
3DCGコンテンツは,VRゲームの制作に必要な環境である「ゲームエンジン」を用いて作られるが,陰影処理を行う「シェーダー」など高度な技術が必要とされる. ゲームエンジンには様々な種類のものが存在するが,最もよく利用されているソフトウェアは「Unity」である.
UnityでVRを制作する際には,「3Dテンプレート」を用いるが,このテンプレートにはカメラと光源のみしか配置されておらず,製作者はゼロから3Dモデル(Unity内では「ゲームオブジェクト」と呼ばれる)を配置していくことになるため,当然開発コストは高い.Unity中では,平面,立方体,球等のゲームオブジェクトが用意されているほか,複雑な3Dモデル等は「Unityアセットストア」で入手する,あるいは3Dモデリングソフトウェア「Blender」で制作し取り込むこともできる.
ゲームオブジェクトの配置後,色指定やテクスチャの貼り付けにより質感を設定し,オブジェクトを動かす場合等にはC#スクリプトをアタッチすることができる.
Unityで制作した3DCGコンテンツをQuest2で視聴するためには,まずQuest2を「開発者モード」に設定することが必要となる.
次に,アセットストアで「OcculusIntegration」を入手し,「XRPlug-inManagement」を有効化しなければならない.
その後,Quest2とPCをUSBで接続し,Unityのビルド設定画面から「ビルド&ラン」を指定することによりQuest2へと転送することができる.
そのままQuest2を装着すると直後に転送したVRコンテンツの再生が始まる.
再度視聴する場合には「提供元不明」のアプリケーションとして分類されているため,こちらからアクセスが可能である.
あらゆる方向から見るあるいはシーンの中を歩き回れるようにするには,Quest2を通じて頭の角度や動きを感知し(ヘッドトラッキング),カメラの角度を変える・動かす機能をC#スクリプトで実装することが必要である.また,音声ファイルも再生することができ,VR体験者はあたかも音源の方向から聞こえてくるように感じる.