言語の本質
「離散性」が言語の条件の一つ
たとえば、色彩語の意味を考えてみよう。色彩空間ないし私たちの知覚においては、赤とオレンジ色と黄色は連続的なグラデーションの関係にある。しかし、言語の世界では、おおよそここからここまでは「アカ」、このあたりは「オレンジ」、そしてここまでは「キ」というように境界を作り出している。実際には赤寄りのオレンジ色や、黄色寄りのオレンジ色があるにもかかわらず、私たちは通常それらの色も「オレンジ」と一括りにする。青と緑も同様に、物理的・知覚的にはグラデーションの関係にあるが、日本語などでは「アオ」と「ミ
ドリ」として二つに分ける。これが言語の離散性である(図3-1)。
ドリ」として二つに分ける。これが言語の離散性である(図3-1)。
実際、筆者(今井)が2~3歳の子どもとその親とのやりとりを観察した研究では、親はその場にあるものよりも、ないものを言い表す際に、オノマトペやジェスチャーを多く用いた。オノマトペとある種のジェスチャーは、ともにアイコン的な記号である。親のこうした行動は、 対象との類似性を頼りに、子どもをイマ・ココを超えた世界へと誘うのだ。