ソシュール
ソシュールの前にも、言語に関する研究は行なわれていましたが、これは歴史的な研究が中心でした。ヨーロッパの言語の多くやサンスクリット語の間には系統関係があることが分かってきて、それらの系統関係がどういうものなのかを明らかにすることが言語学の研究の中心的な課題だったのです。(略)ところがソシュールが出てきて、この流れは大きく変わります。ソシュールは、それまでの言語学が扱っていたような、時間の流れに沿って捉えられる言語のあり方を「通時態」と呼び、それに対して、同時代的に捉えられる言語のあり方を「共時態」と呼んで、まずは共時的な研究が行なわれるべきだとします。歴史的な研究をする場合も「共時態」の積み重ねという形で進めるべきだ、と。
(略)たとえばある単語の歴史的な変化を研究する場合でも、その単語だけを見ていてはだめで、言語全体を見なければいけない。
これよく考えたらすごいパラダイムシフトだな。