自己啓発書が言っていることも、すべて間違いというわけではない
たとえば、「石の上にも三年」みたいなことわざを引き合いにして、「ちょっとくらい合わなくても我慢しましょう。自分に何が適性があるのかなんて、すぐにはわからないのですから」みたいなことが自己啓発書で説かれることがある。 これは一面では確かにその通りだ。自分について、自分がすべて知っているわけではないので、食わず嫌い的に嫌っているものはあるだろうし、その先入観によって、その体験の良さを十分に受け取れていないことはある。
あるいは経験を積んだことで初めて任される仕事があり、その仕事に適性がある、ということもある。
一方で、上記のような言説は、人をこきつかいたいブラック企業などが、人をつなぎとめるために持ち出すこともある。
理屈としては一応通っているので、狭い理論だけでは反論が難しく、それについつい従ってしまう。
人を助けるための理屈が、人を搾取するために援用されている
こういうときは、我慢せずとっとと逃げろ、みたいなアドバイスが有効となる
結局
「石の上にも三年」
「我慢せずとっとと逃げろ」
も両方に正しい側面がある。
どちらか一方が正しくて、もう片方が間違っているならば話は簡単だった。
しかし、現実はそうではない。いろいろな状況があり、それぞれに有効なアドバイスがある。
簡単には割り切れない状況がそこにはある。(割り切れなさ)
快刀乱麻、一刀両断に解決できる問題ではない
それを見極めるための知性が、生き延びる上では大切である。
教条主義的にたった一つの考え方に固執するのではなく、よりよく機能するものを見極める力
そのような力から、戦略の組み立ては立ち上がってくる 教条主義では「突撃!」としか言えない