自分のロールモデルをつくる
他人のロールモデルに、そのまま身を投げることの効果は、あまり期待できない。先達であれ、同輩であれ、それは同じである。 そんな他者のロールモデルがあてにならないときは、どうしたらいいいか。自分で自分のロールを立ち上げたらいい。しかも、多重的なロールを。 ただし、人間は完全にゼロから何かを生み出すことはできないので、「自分らしい」生き方をする、というのも結局他人のロールモデルをそのままコピーしている点には注意する必要がある。むしろ創造性の在り方を意識して、他人のロールモデルを参考にしながら、自分なりのロールを立ち上げていくのが良いだろう。そして、そのロールが、願わくば自分以外の人々が、自分なりのロールモデルを組み立てるときの役に立ってくれたらいい。そうすれば、それは自分事だけに留まらない可能性を持つ。僕ら事。 自分よりも上の世代や同じ仲間たちが、それぞれに生き方を構築するような役割我増えれば、過去の遺産にとりつかれた「このように生きるべき」というロールモデルの呪縛も少し緩和されるはず。そのようにして少しずつ社会に変化が起きていくことを願うしかないのではないか。口先ばかりで、結局自分のロールモデルを押しつける人と、それをありがたがってそのまま真似する人たちでは本質的な変化は起きていないだろう。むしろ社会に生きる人々が少しずつ変わっていく方が、より大きな変化につながるはずである。