ブックカタリストBC099用メモ
テーマ:論文を書くとはどういうことか
とりあげる本
たくさんの論文の書き方の本がある
『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか』
『新版 大学生のためのレポート・論文術 (講談社現代新書) (講談社現代新書 2021)』
その中でも異色の二冊
『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』
目次
原理編
第1章 アーギュメントをつくる
第2章 アカデミックな価値をつくる
第3章 パラグラフをつくる
実践編
第4章 パラグラフを解析する
第5章 長いパラグラフをつくる
第6章 先行研究を引用する
第7章 イントロダクションにすべてを書く
第8章 結論する
発展編
第9章 研究と世界をつなぐ
第10章 研究と人生をつなぐ
演習編
アカデミック・ライティングの教科書
アカデミック領域のさまざまな文章に対応
論文を当たり前に書ける、そこから研究が楽しくなってくる
第1章 アーギュメントをつくる
"論文とは、ある主張を提示し、その主張が正しいことを論証する文章である"
アーギュメント→論文の主張
ルール1:論文はアーギュメントを持たなければならない
アーギュメント→論文の核となる主張内容を一文で表したテーゼ
テーゼ→論証が必要な主張
アーギュメントではないもの
(1) 初期のアンパンマンは、長身・丸顔のおじさんだった
事実
(2) このレポートでは『アンパンマン』における女性キャラクターに着目する
トピック
(3) 本論はフェミニズム理論を用いて『アンパンマン』を分析する
方法論の宣言
(4) 『アンパンマン』を深く理解するために必要なのはジェンダーというテーマである
価値判断
「この論文は〜を示す」という構文で書く
(5) この論文では、『アンパンマン』においてはアンパンマンとばいきんまんという男同士の物語ばかりが注目されていることを示す
かなりアーギュメントに近づいている
「本当か? じゃあ示してみろ」という反応を引き出すような内容を持っているかどうか
反証可能性の有無
弱いオーギュメントは観察の第一歩で手にする(ネタ)→それを鍛える
オーギュメントを鍛える
「AがBをVする」という形式の文章に落とし込む
他動詞モデル
問い:『アンパンマン』においては、アンパンマンとばいきんまんという男同士の物語ばかりが注目されている。
これを他動詞モデルで書き換えると?
回答例1:『アンパンマン』は男性キャラクターばかりを描く
→男性キャラクターばかりで、女性キャラクターが描かれていない、という(批判的な)意図
じゃあ「女性キャラクター」という項目を立てたら?
回答例2:『アンパンマン』においては、アンパンマンとばいきんまんという男同士の物語が、女性キャラクターを周縁に追いやっている
さらにブラッシュアップ
回答例3:『アンパンマン』においては、男性中心主義的な物語が女性キャラクターを排除している。
補足(英語圏でのアカデミック・ライティング教育の3つの教え)
強い動詞を使う→動詞の強さとアーギュメントの強さは表裏一体
受動態を避ける
"I"を使う
論文とは、あなた個人の主張を提出し、それを論証する責任を負う、そういう場なのだ。
第2章 アカデミックな価値をつくる
前章はアーギュメントの形式だった。この章ではアーギュメントの内容(価値)
論文のアーギュメントは、その主張内容にアカデミックな価値があると認められたとき、十分だと見なされる
一般的な論文執筆ノウハウでは
問いがあり
それへの答えを主張し
その主張を論証する文章だ
とされる。
本書では、「論文に問いは必要ない」と主張する
あっても構わないし、あることが多いし、効果的に用いることもできるが論文の成否には関係しない
問いは、主張内容から逆算していつでも形式的に生成可能なもの
一般的なノウハウの問題は、問いを立てて答えていればそれで論文が成立してしまう、という誤解を生む
「アカデミックな会話」
アカデミックな価値は、多くの読者が「面白い」と思ったときに発生するのではない。それは、先行研究を引用し、自分のアーギュメントが現行の「会話」を更新するものであることを示すことによって、自分でつくるものなのである。
論文はつねに一種の反論として書かれる
とにかく現行の「会話」がなんらかの意味で不十分であると言わざるをえない。そこにはかならず一種の批判が、否定のモメントが介在することになる
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