スーパーのセールの喩え
/icons/hr.icon
さて、ここでとあるスーパーに登場してもらいましょう。といっても、架空のスーパーです。
そのスーパーの店長は、お客さんを集めたいと考え、思い切った施策を打つことにしました。なんとたまご1パックを30円で販売するのです。一日限定の大特価。
もちろん赤字ですが、来店してくれたお客さんが他のものを買ってくれれば、帳尻は合います。売り上げもアップします。実際、広告を出してみると異常なほどお客さんが来店してくれました。その日の売り上げは上々で、店長の鼻も高々です。
しかし、広告期間が終わると、客足はまた元の状態に戻りました。これではいけません。店長は、週末にもう一度たまごを安売りすることにしました。そのセールも大成功です。しかし、以前よりわずかに客数が少なくなってしまったのが気がかりです。そこで、さらにもう一度セールを打ち、たまごだけでなく醤油も大安売りにしました。見事の大成功で、以前と同じ規模の客数をゲットです。
こうして、そのスーパーでは毎週のようにセールが行われ、そのたびごとにセール対象品が増えていきました。やがて、麻薬中毒者のようにセールを実施する回数が増え、土・日だけでなく、平日にも行われるようになりました。行き着く先は、毎日が大安売りです。エブリデイ・ロウ・プライス。
以前と比べて、客数は大幅に伸びました。しかし、計算してみると、客単価は下がり、手間をかけているわりには利益は伸びていません。
このままではどん詰まりになると、店長は思いきった決断をしました。セール品目とセール実施回数を減らすことに決めたのです。お客さんからは猛反発されましたが、店長はその声を無視して、安売り品を撤廃し、客単価の取れる高級品を棚に並べます。
しかし、以前では少しは売れていたその商品たちが、まったく売れません。レジ打ちのパートさんの話によると、これまで来店していたお客さんたちがまったく顔を見せなくなっているというのです。来店するのは、激安のたまごを買いにくるお客さんばかり。客単価は減り続け、利益も減少し続けていきました。
仕方なくスーパーの店長は以前の方針に戻し、毎日激安セールを続けることになりました。そうでなければ、もはや売り上げを維持できないのだからどうしようもありません。薄利多売の毎日が続きます。 /icons/hr.icon
その活動によって集まっているのは「誰」なのか?
どういう人?
何が目的?
情報発信に置き換えて言えば、PVを構成している人たちは「誰」なのか?
何を目的として情報摂取が行われているのいか?
その相手は、自分が伝えたい相手であり、また有効な関係性を構築したい相手なのか?
こういうことを考えておかないと、辿り着きたいと思っていた場所とはぜんぜん違う場所に辿り着く可能性が高まる