『自己啓発の黄昏』
諦めたらそれまでだ。でも、君なら運命を変えられる。避けようのない滅びも、嘆きも、全て君が覆せばいい。そのための力が、君には備わっているんだから。
キュウベえ
この本は「自己とは何か?」という問いかけから始まり、その問いを巡るように「自己啓発」について論じていくことになるだろう。
メモ欄
たとえば、Amazonで低評価の本きっと面白くないので読まないと決めている人がいるとして、その人がそのルールをかたく守っているならば、「低評価の本でも面白い」という経験が生まれることはなく、その人の推論が覆されることも起こらない。で、この構図は人が持つルール全般に敷延できる。
昨日若林恵さんと佐久間裕美子さんのインスタライブを見ていたら「自己啓発書は本というよりサプリメントで経団連と責任幻想の産物」という問題提起が出たし、先週は速水健朗さんがラジオで「自己啓発は最も身近なカルト」と話していた。自己啓発の闇に覆われた世界で、闇の自己啓発が黒光りしている。
問題は、そうしたカルトがある環境下において要請され、しかも機能を発揮していた、という点。これを抜きに批判しても物足りないものになるだろう。