『考えるための場所を持つ』
コンセプト
なんとなく、考えるための場所(ツール)を持っていることが、小さな大切さではないかな、と思う今日この頃。
ノート、アウトライナー、手帳、日記といったものも、これを一つ上の階層にして再編できる。ついでに言えば、ある程度まとまったものを外に出すためのブログ、あるいは本や論文、という風にアウトプットを流れに位置づけることもできる。 ツール、場所(リアルの)、そのための時間。
書き出す、考える、眺める、移動する、付け足す、書き換える……。そんな操作をすることで、私たちは自分の考えと向き合えるようになる。そのための技術と心構えとツールを提示する。
書き出し
あなたは、考えるための場所を持っていますか。
その場所でやりたいことは次のことです。すなわち三つのシンク。think,sink,sync.これを実現するための場所をシンクスペースと呼ぶことにしましょう。スペースは空間という意味ですが、あき場所という意味でもあります。そうです。シンクするためには余白が必要なのです
余白とは何でしょうか。それはたとえば時間の余白です。何かに追い立てられているときじっくり考えを進めることはできません。それはまた、書き込める場所も意味します。びっしり書き込まれたノートにはそれ以上書き込むことはできません。つねに新しいページが必要なのです
そして、それは確信に挟み込まれるマージンでもあります。もし自分の考えが疑問の余地なく正しいと感じていたらどうでしょうか。あなたの頭が確信で満ち溢れているとしたら、そこから新しい何かを考えだすことはできません。できるのは、せいぜい細分化か、「結局それも同じこと」という領土化です
だからこそ、シンクスペースです。余白を持ち、考えを落とし込み、じっくりとそれを見つめた上で、対話のきっかけとするのです。そういうことをするための場所が、今切実に求められています
第一章
「まずは、書くための道具を持ちましょう。お気に入りのノートを一冊用意するか、手に馴染んだエディタやアウトライナーでも構いません。そこに、考えたこと、感じたことを書き出していきます。アナログの道具を使う際には、できるだけ余白を意識して書きましょう」
「なぜなら、書き出したものは書いて終わりではないからです。自分で書き出したものに、さらに自分で考えを重ねていく。think twice。それがポイントです」
「書き出したものをさまざまな角度から検討してみましょう。表現はこれでいいのか、もっと言えることはないのか、それとも反証はないか。考えに考えを重ねることで、自分の思考に潜っていきます」
「この習慣があるだけで、劇的にあなたと思考の付き合い方は変化します。断片的でちりじりな小さな思いつきが、少しずつ膨らみを持ってくるのです。ときには、自分が考えてもみなかった自分の考えに出会えることもあります。ときには、自分の愚かさに気づくこともあるでしょう。それも成長の一歩です」
「ともかく、一度書いてみましょう。そして、書いたことについて考えてみましょう。これこそが、シンクスペースを持つことの最大の効果です。書き留めたものを以降二度と利用しなくても、自分が考えたことについて考えたという経験は、あなたの思考に強い影響を与えてくれるはずです」
ref.
material
ツイートを100個振り返ってみて、自分の思考の傾向を探る。褒めてる? 疑問を抱いている? 怒っている? 嬉しがっている? 問題点を指摘している? 不満を抱いている? もっとたくさんのものを求めている?
人は自分が考えたいようには考えられない。だから環境を整える。アランの『幸福論』。
そのツールには、「考え」のきっかけとなるものをどしどし書いていく。
読書はノートとともに