2024年6月の更新ノート
2024/6
一週間のDoneタスクに「見出し」をつける
zoomに替わるポッドキャスト収録環境
ナレッジスタックPodcast第八回:LogseqをやめてObsidianに完全移行してからの変化
The Documentation Tradeoff - by Kent Beckを読む
ドキュメント作成のトレードオフに注目すること
コードの正当性と共に、ドキュメントの正当性も考慮する
How To Break the Note-Taking Barrier: 5 Steps for Absolute Beginners | by Nimish Jalan | Mediumを読む
Nexusのようなローカル&WWWのブラウザ・エディタは作れないだろうか
VMDモデル
フィンクの臨床論を読む(1) - à la lettre
「電球を取り替えるのに、何人の心理学者が必要?」
「たった一人だけさ。でも電球が本気で変わりたがってないとダメだね!」
(Fink, A Clinical Introduction To Lacanian Psychoanalysis, p.3)
、要求demandeと欲望desirの区別
聞き手としての分析家の能力は注目に値するものである。分析家は、分析主体の発言を「単なる」要求である以上のものとして絶えず「聞き」つづけることによって、要求の下や、要求の背後に垣間見える欲望の存する空間を開くことができる。実際、第二章で言及したように、分析の極度に重要なゴールは、要求の不変性と固着を通り抜け、欲望の可変性と可動性へと向かうことなのである。つまり、欲望を「弁証法化」することである。
(Fink, ibid., p.43)
句読点を打つこと
欲望の空間を開くためにの技法が、「句読点を打つこと(スカンシオン)」である(ibid., p.15)。文章に句読点を打つことによって、その文章の意味が大きく変わるように、分析主体の発言に句読点を打つことによって、固着した意味から引き離すことができる。
How to build your own productivity system | Mediumを読む
Organize, Capture, Create の三つのレベルで解説
Introduction to the Zettelkasten method | by Mental Garden | May, 2024 | Medium
My year with a Zettelkasten. Originally published at… を読む
情報技術年表
『平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版』(宮崎智之) – Honkure
倉下流執筆術第一式 とに書く
執筆プロセスの探索その2 | R-style
スパゲティ・コンセプト
Situational Note-taking (book, v1, 2024) | by Oliver Ding | Curativity Center | Medium
Meaning Discovery (book, v1, 2024) | by Oliver Ding | Curativity Center | Medium
The Art of Situational Note-taking (Introduction and Index) | by Oliver Ding | Curativity Center | Medium
ノートへのタグづけ問題
簡単なものの組み合わせで生まれるシステム
何者問題|倉下忠憲
カバーエッセイ
Cosenseプロジェクトの収集
iMovieぜんぜんわからん
テッド・ネルソンによるライティングで起きていることの説明
Obsidian Templaterで週ノートを作成する
『センスの哲学』(千葉雅也) – Honkure
ナレッジスタックPodcast第九回:Wordを愛する人間のObsidian運用方法の進化
## 2024年6月着想メモ
### 単純と簡単
June 01, 2024 at 08:52AM
単純に示されたものは理解は簡単だが、実践は難しい。
### 物事の進め方の不足
June 01, 2024 at 06:08PM
物事の進め方、マネージの方法というのが決定的に不足していることがありますね。
官僚主義的コントロールか、ロマン主義的フリーダムか、という二択しかないのはちょっと極端なので、もうちょっと実際的な何か(たとえば実業家的マネージ)を手にしておきたいところではあります。
### 身につける
June 02, 2024 at 10:53AM
まったく問題を解かずに参考書を読み耽っているだけでは、いわゆる学力は上がらないだろう。逆にひたすら問題だけ解いて、答え合わせもせず、解説も読まないなら、やっぱり学力は上がりにくいように思える。両側のアプローチが必要。同じことは、(それがなんであれ)ビジネススキルにも言えるだろう。
### 実践知の獲得
June 07, 2024 at 02:21PM
実践知というのは実践の中で磨かれる知なわけで、その知が言語化(形式化)されたものを受け取ったしても、自分の実践知にはまだなっていない。
### 逆効果
June 06, 2024 at 09:27PM
「心理的安全性」はとても大切な概念だけど、その言葉を知っているから管理者としての自分は大丈夫などという心理を生んでいるのだとしたらまったく逆効果。
### 創造性
June 06, 2024 at 09:55PM
物事を一発で成功させようとするなら、過去にうまくいった方法を一字一句なぞるしかない。試行錯誤のマージンが存在していないのだから、それはもう仕方がない。逆に言えば、それを止めるだけで、新しいゲームが始まる。
もう一回逆に言うと、クリエイティビティをころす一番簡単な方法が「一発で成功してね」なのだ。訓練も試行錯誤もなしに成果を求めること。
### 主体性について
June 02, 2024 at 08:14PM
「真剣さ」とは、主体性の表れではないか。
### 名詞化と静止化
June 03, 2024 at 05:47PM
「気づき」や「学び」などの名詞化はよくある現象なんだろうけども、そこにあるダイナミズムが剥奪されているような印象を受ける。
たとえば、「問い」は「問う」ことで生まれるものであり、その行為の瞬間的なスナップショットとも言える。だから、「問い」だけが伝達されて、「問う」が置き去りにされるなら、エンジンのない車のようなもので、置物として立派でも"実用的"とは言えない。
### 思考は実現してもいいものか
June 05, 2024 at 10:07PM
「思考は実現する」的なものの危うさは、たとえば経営者が「この期日で完成する」とか「この売り上げを達成する」とか非現実な妄想を抱いても、それが実現されて当然という考えを助長しかねないてん。
### ノウハウについて
June 07, 2024 at 02:11PM
HowについてのKnowと、KnowについてのHow。
### 最適な最適化
June 07, 2024 at 04:39PM
"最適化"はやりすぎてしまうと副作用が大きいので、「ほどほどの最適化」というのが最適化の最適なのだろう。
### ゲームの手間にあるメタ・ゲーム
June 07, 2024 at 07:07PM
ゲームでの勝ち方の手前に、どういうゲームにするのかというメタ・ゲームがある。
### 憧れは地図にしない
June 07, 2024 at 07:48PM
憧れの気持ちは、地図ではなくガソリンに。
### 多重のつくる(★)
June 08, 2024 at 09:04AM
「原稿を書く」という「つくる」作業を進めながら、その作業に必要な道具・方法も「つくる」というマルチプルDIY精神。
### 日常にある差異と反復(★)
飽きがこないように超高速で情報が更新される環境そのものへの倦み。一方で、何もしなくても、季節は巡り、齢は増える。目を向けさえすれば、反復と差異がそこにはある。
### すぱっと切る副作用(★)
June 09, 2024 at 04:50PM
複雑に絡み合った問題をずばっと両断すると、切ってはいけないところまで切断されてしまう可能性がある。
### 情報整理のややこしさ(★)
June 10, 2024 at 08:35AM
CODEのCapture/Organize/Distill/Expressという分類は、図式的には納得感があるのだけども、C以降の三つの工程が実際は入り交じっているという観点が抜け落ちがち。
くせものがOrganizeなのだろう。static organizeとdynamic organizeを区分し、後者があとの工程と密接に関係している、という視点があったほうがいい。
### 止める、考える(★)
June 10, 2024 at 05:59PM
「ともかく手を動かせ」「ともかく何かを作れ」というだけでは、やっぱり危ういだろう。ともかく動かし、その結果から考え、再びともかく手を動かすという感じでジグザグに進んでいくのがよさげ。
### メディア受容の循環構造(★)
June 11, 2024 at 08:37AM
メディアとそれを受け取る姿勢。メディアが姿勢に影響を与え、姿勢がメディアの受容に影響を与える。結果、ある姿勢が極端に強まってしまうことが起こりうる。
### 読書のタイプ(★)
AIを使うことで楽になるタイプの読書と、それは別のタイプの読書というのがありそう。
知識獲得手段としての読書と、経験(あるいは脳内シミュレートという現象)としての読書。
### 好ましいノウハウのサイズ(★)
実行できるくらいにシンプルで、アレンジできるくらいに空白がある。そういうノウハウ。
### デジタル情報の重さ(★)
デジタルファイルにアクセスして作業するのが気が重いとき、とりあえず小さい紙で細かく雑に作業して、「これを書き写すだけ」と自分に言い聞かせてデジタルファイルを開いていると、いつのまにかちゃんと作業をしているという気分ハック。
デジタルファイルには特有の「重さ」がありますね。物理的な重さがないのに、なのか、重さがないがゆえに、なのか。
### 自我肯定の装置(★)
June 12, 2024 at 08:51PM
変化を迫ってくる外部がある中で、変化しないことを肯定してくれる装置を評価する姿勢というのがある。
### 目的のない読書(★)
June 12, 2024 at 09:51PM
目的性を剥ぎ取られた文章は、読むために読むという奇妙な空間に誘う。その空間はたしかに閉鎖的ではあるのだが、だからこそ内側に向かって開いているような性質がある。
### 聞く訓練の不足(★)
June 12, 2024 at 10:34PM
多くの場合、話す技術か黙って言うことを聞く技術かの二択で、「相手に話をしてもらう訓練」はほとんどしないままに大人になりますね。
### ルールをつくる経験(★)
June 13, 2024 at 10:23AM
トランプでもなんでもいいけど、自分でゲームのルールを作ってみると、「ルール」という概念の捉え方が結構変わってくると思う。
### 情報整理の楽しさ(★)
June 13, 2024 at 10:46AM
知的生産における情報整理。情報をストックして、完備していくことには楽しさがある。一方、何かを考え、言葉で表すことには苦労が多い。そのバランスの中でなんとかやっていくわけだが、前者の楽しさをより強めてくれるツールを使うと、おおむねバランスが乱れてくる。
データを増やしているときの楽しさも単純なものではなく、データベースに仕えているというマゾヒスティックな感覚もいくぶんか混じっている気がする。
そこには間違いなく「夢中になれる感覚」がある。
### 思い込み(★)
June 14, 2024 at 12:57PM
「思い込みの強さ」は、自分の把握・理解についての疑念の薄さ。
### 劇的な解決策(★)
June 14, 2024 at 09:30PM
皮肉なことに、劇的な解決策などないと気がつくことが、劇的な変化をもたらす。
### 真摯に非難する
June 15, 2024 at 10:59AM
真摯に非難することの重要性があるとして、だからこそ「あれは非難してOK」という空気になったら雑に非難する姿勢はいただけない。
### 開拓とそのコスト
June 15, 2024 at 08:14PM
新しい領域の開拓は、最初の時点では苦労が多いので、既存の領域に乗っかる方が低コストなことは多い。ただ、その先がどうなっているのかは、ちょっとわからない。
### 淡々と進める技術(★)
June 20, 2024 at 05:04PM
思うに「淡々と進める」というのは一つの技術なのだろう。
### 読みやすさにこだわること(★)
June 21, 2024 at 07:57PM
ある全体や連続をまるっと伝えるために読みやすさにこだわること。
サービス精神でもありつつ、ちょっとした書き手のこだわり(ないしは傲慢さ)でもある。
### 書き手に卒業はない(★)
June 21, 2024 at 09:15PM
『バーテンダー』に、「バーテンダーに卒業はない」というセリフがありますが、物書きも同じですね。書き続けている限り、技能の向上に開かれている必要がある。単に「うまくなる」ということもありますが、「うまくなる」ということの意味も変化していくことが大切な気がします。
### 発信の動機(★)
June 22, 2024 at 01:32PM
何かしら発信したいことがあり、その活動を続けやすくするために広告を入れるというのと、広告を表示させたいからそれを埋めるためにコンテンツを作るというのとは、やっぱりちょっと違うよなとは感じます。
### プロセス・ライティング(★)
June 23, 2024 at 10:42PM
プロセス・ライティングは、現象的執筆である。そこでは何かが常に生起している。
### 間著者性(★)
June 23, 2024 at 10:43PM
間主体性ならぬ間著者性。
### 技能を磨いていく(★)
June 24, 2024 at 06:39PM
簡易でいいから目の前の不具合が解決すればいいというスタンスと、職業人生における技能を磨いていくというスタンスでは、違いは大きそう。
組織システムの内製化の問題は、個人の能力獲得の問題と非常に似ている。安直なテクニックの採用はある種のアウトソーシングで、自分でそれをつくる・磨く経験が不足していく。
「方法」についての理解が不足していると、自分で「方法」を構築するのも難しくなる。
### 前提が見えなくなる(★)
June 28, 2024 at 02:00PM
「作業量を抑えることで、むしろ能率が上がる」というような事柄は、視野が狭くなっていると見逃す可能性が高まる。
作業量を抑えて能率が上がった状態で、「これ作業増やせば、生産性爆上がりじゃね」などと思ってしまう。
つまり、前提を見失うと運用で不都合が生じる。
安易な「解決策」の受容の問題はこの辺にあるのだろう。そのときはよいとしても、運用ができない。
### そして何もなくなった(★)
June 25, 2024 at 07:19PM
悪いものを見つけるたびに削り取っていくと良いものが残るのではなく、だいたい何もなくなるだろう。
### 技法と技能(★)
June 26, 2024 at 09:36AM
正式な手順でないとKJ法ではない、というスタンスについては思うところがあるものの、それでも一定の訓練をすることで技能が向上することは間違いなくあるように思う。
### 柔軟さに耐えられる強度(★)
June 26, 2024 at 12:44PM
ある柔軟性に耐えられる強度、という矛盾めいた概念がありそう。
### 音声入力について(★)
June 26, 2024 at 05:53PM
スマートフォンの音声入力を使った執筆と、音声に支配されたエクリチュールはどのように位置づけられるだろうか。たぶん、違った問題が生じているような印象を受ける。
### 過去をどう見ているのか(★)
June 26, 2024 at 09:38PM
われわれが「バックミラーを通して現代を見ている」のだとしたら、過去は何を通して見ているのだろうか。
### 他人に答えを求める(★)
June 27, 2024 at 09:44AM
他人に「答え」を求めすぎる、というのはいかなる状況なのか。
### 頭だけで考える(★)
June 28, 2024 at 07:05PM
純粋理性ではないけども、一から十まで頭だけで考えるととんでもない間違いをしていることが起こる。桁外れの間違い。経験があるならばありえないほどの間違い。
一方で、それが思弁の力強さでもあるのだろう。
そういう思考を「純粋思考」と呼び、実践や肉体的な有限性を加味した思考を「実践思考」と呼んで区別してみるとよさそう。カントも参照しながら。
### 情報整理の偏り(★)
June 29, 2024 at 10:12PM
「情報整理」の分野は、思考偏重が起きやすい印象。
### 方法に問われる(★)
June 29, 2024 at 10:30PM
人生に問われるほどの大きなことではなくても、方法に問われることはよくある。「さあ、この方法をあなたはどうしますか」、と。
答えを外に求めているとき、この問いを回避しているとも言える。
自分を受け入れることぬきに、問題解決しようとする。当然その余波は他に出てくる。
### 自分の方法をつくる(★)
June 30, 2024 at 09:22PM
正しい方法がありそれを正確に身につけるべし、という考え方からすると、「自分の方法をつくりましょう」という提案は異端すぎて攻撃的にすら感じられるかもしれない。
ここ最近、「最終的に自分の方法を自分でつくっていくしかない」という結論と、導入に何も手がかりがないのは困るという実際的問題を、どうブリッジしたらいいのかをずっと考えております。
「これだけやればいいんです」も「好き勝手にやってください」もどちらも言う方は簡単で、だからこそもうちょっと実のあることを言いたい。
「答え」をただ渡すなら、余計は話は省いて一直線に進めばいい。なんらなら「答え」だけでいい。しかし、そこで構築されるメンタルモデルは、真っ直ぐに一直線で進むものになってしまう。試行錯誤が避けがたいものだ、という物語は拒絶される。はたしてそれは、その人の可能性を増しているのかどうか。
→2024年7月の更新ノート