いろどり
世界に、色が、白しかなければ、
そこにはなにもない。
一面の白だ。
黒が現れると、なにかが立ち現れる。
なにかが描写される。
中間の灰色、
そのまた中間の薄い(あるいは濃い)灰色が現れると、
どんどん変わる。
見出せるものが増えていく。
赤が加わり、オレンジが加わり、黄色が加わると、
世界はもっといろどりを増やしていく。
色が一つ増えるたびに、世界は豊かになっていく。
同じものだけではなにもない。
違うものがいろどりを増やす。
違うものを見つけることが発見であり、
違うものを生み出すことが思考である。
同じものだけではなにもない。
なにもない。
そう気づくことすらも。
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