水道パイプで作る八木宇田アンテナ
144/430MHz 6エレ八木・宇田アンテナの制作をはじめました。比較的コストをかけずに、そこそこの耐久性のあるものを作りたいと考えています。今後はブームをもうすこし耐久性の高いものに変更するなどしつつ、改良をしていこうと思います。 https://scrapbox.io/files/63809824b33c38001de2a53a.jpg
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水道管を用いた八木宇田アンテナの制作について
無線を楽しむうえで欠かせないのが、トランシーバとアンテナです。無線機自体は個人で自作することは敷居が高くなってしまっている昨今ではありますが、アンテナであればまだまだ自作することは可能です。
今回は日本アマチュア衛星通信協会(以下JAMSAT)のホームページに掲載されている情報をもとに少々部材を変更しつつ制作することにしました。
このアンテナ自体は海外のアマチュア無線クラブで設計された情報を、JAMSATで翻訳して公開されているものです。制作に入る前に一度かならずJAMSATホームページにおける引用したページを一読されてから制作に入るようにしてください。
JAMSATホームページに掲載された記事によれば、木材をブームに使用して制作しています。しかしながら、今回の制作にあたっては木材という性質上「常設」という目的での使用は厳しいこともあり、耐久性が高いであろう材料を使用することにしました。作成した際の材料等を書き示します。
今回材料として使用するのは以下の通りです。
1. VP16 パイプ(以下塩ビパイプ)1m程度 1本
規格品ホームセンタなどで入手可能
2. アルミ棒(直径3mm)1m程度 3本
使用したメーカー 株式会社光モール製 ヨドバシ・ドット・コムやモノタロウ、楽天、で入手可能。ホームセンターにも場所によっては取り扱いがある。
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3. 裸圧着端子 丸形 R5.5-5 2個
3㎜のアルミ棒を装着できればほかのものでも可。購入先の在庫の関係でこれになった。
4. 裸圧着端子 丸形 R2-3 2
同軸ケーブルと給電部の接合に用いる。
5. M4程度のねじとワッシャー、ナット 2セット
ナットは蝶ナットだとコストがかかるが使いやすい。
6. 同軸ケーブル
給電部に負荷をかけないほうがいいので、短く細めの同軸ケーブルをもちいて制作すると簡単に作ることができる。
注意1 輻射器に直接はんだ付けして給電したい場合は、アルミ棒に代わってはんだ付けができる素材を使用する。例えば真鍮や銅、シリコンブロンズなど。その場合アルミ棒の数は1本へらしてもよい。
注意2 ブームを密閉するために塩ビパイプにふたをする場合は、ふたも別途調達することが必要になる。
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使用した道具
フジ矢 ケーブルハンディカッター 600-160
普通のニッパーでも切断できないこともないが、正確にエレメントを切断することができる。
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高儀 BB-100Aボール盤 インパクトドリルや電動ドライバーにドリル刃をつけて穴をあけることもできるが、あると便利。
3.1mm ドリル刃 3mm アルミ棒をブームに装着する場合、3.1mmで垂直に削孔したばあいうまくエレメントを固定することができる。
ケーブルストリッパー ないと不便。同軸ケーブルの加工は頑張ればニッパーでもできるが効率的な作業のため用意しておくことを強くお勧めする。
プラスドライバー
調整しない場合は不要だが、無線機のSWR計では正しく測定できないことがおおい。 塩ビパイプ VP13 最低でも100mm 程度
輻射器のエレメントを曲げるときにあてがって使用する。なくてもよい。
ほかに使用できる道具としては
ボール盤にかわり、電動ドリル、インパクトドライバー。インパクトドライバーを使用する場合は、チャック変換アダプタがを使用するか、インパクトドライバーに対応したドリルを使用する必要がある
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制作するうえでの注意点
塩ビパイプにキャップを閉めたい場合は、紹介したホームページの寸法に80-100mm程度長めに切断するとよい。手にもって使用する際は、さらに300㎜程度長めに切断する。(1mの塩ビパイプの場合、一番短いエレメントから装着していき、持ち手と反対方向に指向性が発揮できるように制作するとよい。
もっと簡単に作る場合は、紹介したホームページの通り木材を使用して作るほうが穴あけ加工はものすごくらくになる。ただし、木材を使用しているので、常設にはむかない。
輻射器に直接はんだ付けしたい場合、アルミ棒ではなく真鍮やシリコンブロンズ、銅などを用いるとよいです。
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制作手順
エレメントの切り出しと加工
アルミの棒を必要な長さにエレメントを切り出します。寸法は引用元をご覧ください。
432MHz用のアンテナの場合必要な本数は以下の通りになります。
279mm 318mm 343mm 500mm 各1本
305mm 2本
塩ビパイプの切り出し
手持ちで衛星通信用に調整する場合は、1mの塩ビパイプであればそのまま使用できます。
キャップをつけて常設にしたい場合は700mm程度に切断します。最もコンパクトに作ろうと思うなら、エレメント間隔として示されている寸法よりながめの640mm程度の長さがあれば問題ありません。
輻射器の加工
塩ビパイプ VP13にの外径に沿って半円を形成する。この時、半円の真ん中の部分から折り曲げたエレメントの長いほうの先までの長さが330㎜となるように加工する。
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塩ビパイプに穴あけ
エレメントを装着する穴を削孔する。この時使用するドリル刃は3.1㎜がよい。なければ多少差があってもよいが、小さい場合はリーマーで加工、大きい場合は、後で固定する際に工夫が必要となる。
輻射器の調整
輻射器のエレメントのうち、長いパイプのエレメントを目的の周波数で市湯できるように加工する。エレメントが短くなればなるほど、周波数帯域が高くなる。
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