再開局申請の勘どころ
前職の職域クラブが部員不足で存亡の危機にあった時に長く冬眠していた局を何局か掘り起こした時のお節介を認(したた)めておきます。
以前から変更申請やら開設(局)申請やら色々な局のお節介を焼いていたのですが、
会社の先輩と仕事の四方山話のあとにこんな話に...
EMG>ところで〇〇さん、(アマ)無線って興味ないですか?
先輩>ん(ここに約2秒の沈黙)...、実は俺、免許持ってたんだよね。
EMG>ええ〜っ(この先輩とは入社1年違いで約35年のお付き合い、ラジオ用ICの開発者だったので、さんざっぱらラジオや無線の話は仕事としてしていたが、無線の免許の話はこの時初めて聞く)...
(ここで5秒間絶句)
EMG>いやいや、従免は一生モノだから免許は今でも生きてますよ。えっ、じゃあやってたんですか?
先輩>いやー、大学生の頃、同級生と50SSBでさんざっぱら試験前の傾向と対策してたよ。キャンプ場に無線機持って行ったりもした。ある時キャンプ場に無線機忘れて無くしてしまった事もあったなぁ〜懐かしいなぁ〜
EMG>でもそれなら無線の楽しさ知ってる訳で...私達もそろそろ会社人生の最終コーナー見えて来たし、仕事辞めて、毎日やる事が...って前に無線でも復活しません?
先輩>でもなぁ、もう従免も局免も何処にいってしまったか分からんし...
EMG>でもコール覚えてるんですよね?国試いつ頃受けたか覚えますよね?
先輩>まあそのくらいは...
EMG>よがす。何とかします。
こんな話から、昔のコールと国試の時期ぐらいは覚えていると言う所から再開局申請をスタートさせした。
上記の様な状況の場合は、
無線従事者免許証の再交付
旧コール希望で開設申請
となります。
それぞれの詳細や勘どころは、
無線従事者免許証の再交付
基本は「無線従事者免許証の再交付」の通りなんですが当然免許証を紛失しているので参考事項が重要です。更に「無線従事者免許証再交付申請書」には参考事項の欄が無い為、別紙を添付すると審査が順調に進みます。勿論皆さん免許が無いのに再交付申請は絶対しないでしょうが(虚偽の申請は罰せられます)、免許証見つからないから国試をもう一度受けちゃえと言うのも免許の不正取得に該当し罰せられます(こちらは現実問題としては厳重注意と再交付申請提出を指導されて済むと思いますが...)ので注意して下さい。 参考事項については、以下の様な項目を分かる範囲でなるべく色々書いておきましょう。
従免番号(これが分かれば一番確実、本人確認資料などで補強すれば完璧、でもそもそもここが分からないから再交付申請する事になってると思います)
合格した国家試験や修了した認定講習の実施時期(国試なら昭和55年4月期等)
申請当時の住所(無線従事者原簿(無線従事者規則第五十二条)の必須項目では無いのですが、申請当時も住所は書いている筈なので)
本人確認書類(氏名変更が無い場合は必須では無いがどちらか有れば尚可)
戸籍抄本(氏名の変更が無い場合は必須では無いですが氏名変更ならこれぐらいしか証明出来ない様な気が...)
世帯一部の住民票(戸籍出すのが抵抗ある方、ただ直前の住所が申請当時の住所なら補強資料としては完璧)
再交付申請書、参考事項書、本人確認書類(必須では無い)を当時免許を受けた総合通信局(最近は住所管轄の総合通信局も大丈夫ですがお勧めはしません)に提出して一ヵ月程度(場合によっては問合せもありますがここは書類の揃い具合に依存します)で審査の上、問題が無ければ従事者免許が再交付されます。
この時再交付された従免番号には枝番(AAEN01234-2の様に)が付きます。無線局免許申請書の従事者免許の番号はこの枝番含めて記載が必要です。
旧コールを希望した開設申請
過去に指定を受けた呼出符号が未割当になっているかの確認
先ず「総務省電波利用ホームページ」の「無線局等情報検索」で過去に指定を受けていた呼出符号を検索してヒットしない(現時点で誰にも割当られていない)事を確認します。検索でヒットしなくとも一定期間は原則、直前に免許を受けていた免許人以外は割当を受けられないのですが、ここは申請出してみないと分かりません。 旧コールの失効免許状もしくは総通(当時は電波管理局)の写証明印付きの申請書写を持っている場合
この場合は失効免許状若しくは申請書写から当時の免許の番号と呼出符号を無線局免許申請書の参考事項(無線局事項書の一番下の欄)に「過去に免許を受けていた呼出符号:JK1xxx」「及び免許の番号:関A第xxxxxx号」を記載し失効免許状か申請書の写(事項書のみで可)のコピーを添付し(失効免許状の原本は添付しないで下さい。電波法第二十四条(免許状の返納)に抵触するので)申請します。申請は総通直接か保証認定か局免許申請の勘どころを参考にして決定して下さい。 コールは覚えているが証明する書類を持ち合わせいない
この場合は昔のコールブック等で調べる等の方法が有りますが、JARLの「旧コールサイン確認書」を貰うのがスマートだと思います。無線局免許申請書の参考事項(無線局事項書の一番下の欄)に「過去に免許を受けていた呼出符号:JK1xxx」を記入し、確認書を添付して申請します。申請は総通直接か保証認定か局免許申請の勘どころを参考にして決定して下さい。 なお、どちらの場合も無線局免許申請書の無線局事項書の呼出符号や免許の番号は通常の新規申請と同様に空欄として下さい。当時指定をされた呼出符号は参考事項に記載する事になります。
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