鑑賞者が注目するもの
絵画鑑賞者の視線に関する研究
絵画の鑑賞は,鑑賞者の特性によって異なる.井上・穂積・玉川・五十殿(2005)は,鑑賞時の美術作品の評価は,専門的な美術教育を受けた経験の有無が強く影響し,絵画作品の色彩や彫塑作品の量感の捉え方に違いがあることを示唆している.
絵画鑑賞の初心者は作品の写実性に注目し,知識のある専門家は絵画のスタイルや視覚効果に注目することが分かっている(Cupchik&Gebotys,1988).
Hekkert&vanWieringen(1996)は,専門家は芸術の知覚や評価に影響を与える特定の認知モデルやカテゴリーを持っているが,初心者は日常経験の延長線上にある認知モデルやカテゴリーを芸術に適用するため,芸術は心地よく,親しみやすいものでなければならないと考えていることを指摘している.
Lederら(2014)は,専門家は美術作品の鑑賞や評価の経験が豊富であり,それによって認知負荷が軽減されることを指摘している.田中(2018)は,美術初心者は作品に描かれたものを何らかの具体物や具体的な状況として解釈する傾向が強いことを述べている.
このように専門家と初心者では,異なる認知的処理が行われており,絵画の見方が異なることが予想される.
美術初心者は,絵画鑑賞時に絵画の意味を考える方略を取る傾向があることが報告されており(Schmidtetal,1989),積田・渋谷・吉本(2018)は,作品に使用されている色の違いによっての心理的評価の違い,色の数による鑑賞者の印象の違いを報告している.
非専門家が注目するもの=美的発達段階における85%が注目するもの
作品の写実性
固有のスタイルや効果の評価は専門知識に基づく
日常経験の延長線上にある捉え方 / 何らかの具体物や具体的な状況
すでに知っているものの見かたを適用して、鑑賞時の負荷を軽減する
それっぽさを見出す
作品の意味、印象
表面上の色の違い、色の数などで左右される
構図
カラーコーディネート
絵画の性質#6967df5e0000000000db4b0d