既成の言語では適していない
「われわれの言語が健康な人間の世界の日常的使用のためにつくられ、狂気の世界を記述するのに適していないから」(クラウス・コンラート)
アルファベット圏では、新しい単語を作るという例が多いようだが、日本では文字そのもの――新しい漢字を作ってしまうという場合も多い。
言語新作が私たちにとって魅力的なのは、その言葉の奇妙さのせいばかりではなく、その背後に壮大な「狂気の世界」を予感させるからだろう。私たちの使っている既成の言語では表現できなかった世界とはいったいどんなものなのだろう。