仲間と作ると仲間に閉じる
子どもの頃、山で秘密基地を作った体験について「一人で作ると世界に開くが、仲間と作ると仲間に閉じる」とポストしたことがある。この「仲間」というのは「人間界」とも言い換えられる。一人でしか開かれない視界というものがある。とくに美術制作では顕著である。できれば美術鑑賞でも一人がよい。
制作が一人であっても独りではなく共働なのは、制作がなにかの再現ではなく、それ自体としてひとつの出来事だからで、制作は、例えば場所がかわれば表われるスタイルも表われる内容もかわる。無意識的なものが、どれほど環世界と密話を交わしているものかが思いしらされる。
種によって異なる、特有の環境
一人でしか開かれない視界