令和7年6月13日
幽霊|虚夢
みなとまち 夏のかげろう 異人館
幽玄な宵 霊験なき夜
種|断種
種蒔かずば生まれ出ずることもなきこの種の類いはいずれ消滅?
じょ|乗法
よしもなくじょじょに奇妙に現象す
進むも退くも不可逆進化
帰省する こともなくなり 幽霊に
会うこともなき 除夜の種よ
帰省|不帰
帰るなき 省みるなき 現存在
カエル鳴きたる 田んぼぞなけり
双詠連首-田-|蛙鳴く
かえるなく田も かえる田も みななけり
なくかえるなく なくたもなく みななけり /一狄翁
かえるなく なけりとしらで かえらずに
なくことさえも わすれたる田よ /響詠
双詠連首-田-|孵歌
鳴くかえる 孵るかえるも いまはなき
かえらぬかえる かえるたもなし /一狄翁
鳴かぬ田に 声もかえらず 春くれば
孵ることなき 夢のみが鳴く /響詠
双詠連首-田-|喪失
たをなくし たをうしないし たのたみは
備蓄たのみの 米騒動かな /一狄翁
たのたみに たはなかりけり たをとめて
たのまぬものは 腹をすかせり /響詠
田の民三首
たなあげし かえるたのなき たのたみは
かみたのみする かみたなもなく /一狄翁
かえるにも かえるたのなき たのたみよ
たのみてけさは コンビニまいり /一狄翁
たのたみよ かえるたのなき たのたみよ
たのみのつなも なきたのたみよ /一狄翁
双詠連首-田-|歌方
くりかえす かえるのうたよ たのたみよ
たのみのたなき うたかたのたみ /一狄翁
かえること なきたのたみの くりかえし
うたをたのみて うたにかえれり /響詠
双詠連首-田-|木霊
りふれいん ただなきかえる そのうたは
きこえてくるよ なきたのたみにも /一狄翁
なきたみに なきたのありて かえるなり
きこえぬうたの こだまにかえる /響詠
双詠連首-田-|ぅた
かわらぬも かわりゆくたも かわるたも
かえるたなきも かえるほかなく /一狄翁
かわらぬも かわりゆく詩も かわる詩も
かえる詩なきも かえるほかなく /一狄翁
たのなきに うたのたましひ ひそみいて
たをなくせども うたはかわらず /響詠
双詠連首-田-|詠民
たのたみは うたのたみなる たのたみは
たうえてうたひ うたひてまつり /一狄翁
たのたみに うたはたねなり たはうみなり
まきてうたへば のちはかみなり /響詠
Dialog Pieces of Precis — 解題 A log
AIとともに - ときかたりひらく曼荼羅問答録
With AI — Dialogues That Unfold a Mandala of Verse