3.3 研究段階の区分
※要約
Alexanderの研究実績は、フォームの数学的探求から始まり、パターン・ランゲージ(PL)理論の発展、さらには幾何学的秩序の探求へと継続的に進化していった。しかし、この連続性がゆえに、PL理論の時代ごとの特徴や違いが十分認識されてこなかった。そこで、本研究ではPL理論の構成要素を時系列で整理し、各時代の特徴と課題を明らかにすることで、理論の継承可能な部分を見出そうとした。
PL理論の発展段階を以下の4区分に分けた。
区分1: フォーム研究
数学的手法を用いた形(form)の生成研究。設計方法論の形成に影響を与えた。 区分2: 前期パターン・ランゲージ
繰り返し発生する建設的ダイヤグラムを"パターン"と捉え、その記述・アーカイブ方法を探求。本研究で継承可能な部分。 区分3: 後期パターン・ランゲージ
政治・経済・組織体制など、社会システムの水準にデザイン対象が移行。既存システムとのギャップが批判の源泉に。
区分4: 幾何学的秩序の探求
PLそのものからから離れ、秩序と美の包括的理論を模索。