<発明の効果>
発明の効果は、「進歩性」が存在することを間接的に裏付ける根拠となります。よって、審査官に「進歩性」があることを印象づけるために、効果の説明は重要となります。だからといって、むやみに効果を羅列することは、権利範囲を限定してしまうことになりかねません。効果にはそれぞれ構成が対応しており、効果を書けば書くほどそれに対応する構成が存在していた、すなわち、そのような効果を出すための限定事項が存在していたと評価されるからです。
なお、発明の効果は、発明の構成と大きく関係します。当該効果を奏するために必須の要件が、発明の構成となります。
そして、それは、発明の目的に応じて創案されたものです。よって、発明の目的・構成・効果は論理的に一貫した対応関係があります。
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したがって、効果を特定したら、その前提となる構成が何であったかを振り返ることはとても重要です。
目的(課題)、構成(解決手段)及び効果のうち、目的(課題)及び効果は、主観的要素が大きく、視点を変えるとその内容が変わってしまうということです。そして、それらが変わると発明の構成(解決手段)すら変わってしまいます。よって、与えられた発明情報から、どういう視点で、発明の効果を抽出するか、把握するかはとても重要なことです。