9961_黒衣(くろご)の2階建て:上棟
以前から疑問だった「祝辞 曇り」を検索してみると、知恵袋のページが出てきました。ベストアンサーは『くもりについては、ふれないほうが良いと思いますよ』とのことでした。とは言え、こんな曇りの日こそ、真夏に屋外での工事を安全に進めるには、最適な天候なのです。それでも喉はよく渇く。
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黒衣(くろご)とは、『歌舞伎(かぶき)で、役者の後見役。また、後見役が着る黒い装束』。黒衣のように、屋根も外壁も真っ黒な外観になります( 2017.07.29) hr.icon
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1階の柱は、昨日のうちに立てておきました。今日は、2階の床から屋根までを組み上げます。
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どんなに大工が丁寧な仕事をしても、木材を鉄よりも、強くすることはできません。鉄のパイプのような接合金物で、土台と柱との接合します。建物の角には大きな力がかかりますが、この金物は、3トンの力で引っ張っても抜けない耐力があります。
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柱と梁は、2枚の鉄板のような金物で接合します。適材適所、ハイブリッドな工法です。建物全体に強度を持たせる工法です。接合金物を使う、もう一つのメリットは、金物を木材の中に隠せることです。この建物は多くの梁が、室内に表れるデザインなので、好都合なのです。
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小雨が降り始めたのは、15時を過ぎた頃からでした。木工事が17時頃に終了すると、できるだけ木材が雨に濡れないように、ブルーシートで建物を囲いました。小雨がそぼ降る中、屋根の職人が、屋根に防水シートを敷くと今日の工事は終了です。
最近、ニュースで、建築工事中の事故を聞くことが多くなりました。建築工事で一番大切なことは、事故を起こさないことなのです。屋根の勾配など、建物の外観を設計するときは、職人に無理をさせず、「安全に作業できるか」も、大切なポイントです。
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外観と言えば、この建物は周囲の建物と比べると、大きな建物になってしまいました。ですので、出来るだけ建物を、小さく見せる工夫を考えました。道路に対しては、建物の間口を狭くして、屋根を低くしています。
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さて、内部はこんな感じです。ちらっとお見せします。屋根と外壁は、真っ黒な黒衣(くろご)のようですが、一転、内部は明るい板貼になります。「外観から受ける印象を裏切る」ことを、密かに企んでいて、今から、ワクワクしています。
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