9699_インターネットでの情報発信は、『声』という楽器
20代前半の頃の私は、多くの建築家を訪ね歩いていて、ある建築家から、こう言われたことがありました。『建築家になりたいのなら、何でもいいから楽器をひとつ始めなさい』、その理由までは説明してくれずに『声という楽器、歌うことでもいいから』と、建築家は続けたのでした。その声という楽器、私はいつの間にか身につけているようです。この「オオタキラジオ」です。インターネットでの情報発信は、私の、『声』という楽器なのです。
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さてオオタキラジオ、〈9699〉301番目の記事は、30年前の思い出話から始まりました。〈9600〉番台も、よろしくお付き合いください。毎日「2分間」という時間を頂ければ嬉しいです。この記事の画像は、狭山丘陵の里山が春を迎えた様子です( 2018.04.17) hr.icon
そもそも、私が『インターネット』というものを初めて知ったのは、ハードウェアに詳しい技術者の、住まいてさんからでした。
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一通りインターネットの説明を聞き、「なるほど、無料で色々な情報が手に入るのですね!」と、私が言うと、『違うよ』と、頭を振るのです。『無料で自分が伝えたいメッセージを、世界に向けて発信できるんだよ』『情報の発信者になれることこそ、インターネットの本当の価値なんだよ』
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『この住まいてさんから教わったことを、次の住まいてさんにも伝えたい』
そんな気持ちから、大滝建築事務所のホームページを作成し、かれこれ20年ほどになりましたが、今のように毎日記事を書き続けることにしたのは、2017年6月からです。
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毎日、記事を書き続ける生活となって、変わったことがあります。時間を大切にして、執筆する時間にあてたいと思うようになりました。そして、仕事をしている時でも、誰かとお話ししている時でも、家で食事をしている時でも、ベッドで横になっている時でも、常に取材をしている気持ちで、自分の考えをまとめるようになりました。
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毎日、みなさまの「2分間」の時間を頂くので、役に立たなくても、お読み頂いた方には、あったかい気持ちになってもらいたいので、何かに対する批判など、マイナスなことは書かないようにしています。
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「2分間」で読み切れる、1,200文字程の記事を書くためには、毎朝、2時間半以上の時間が掛かってしまいます。ですが、これは記事を書くためだけに留まらず、日々の住まいづくりの仕事にも、もちろん役に立っていて、情報発信と仕事とは、私にとって両輪なのです。
https://gyazo.com/faf819a1402b15b7349897ef98e663b8
ところで、建築家の『建築家になりたいのなら、何でもいいから楽器をひとつ始めなさい』という、その理由とは、いったい何だったのでしょうか? 300の記事を書いてみて、少しだけわかりました。
https://gyazo.com/16524749f6ff3ccbcf463194edf398ed
『声という楽器』、声というのは、繊細で正直なものですよね。その人の声には、その人の気持ちや、生き方が反映されています。何かに対して、その人がどれほど真剣に向かい合っているのかは、その人の声を聞けば、すぐにわかってしまうことなのです。
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建築家の「仕事」というのは、住まいてさんの大切な、「住まい」を造らせてもらうということ。
建築家自身の真剣さを、住まいてさんに見てもらうためには、自身が造る「住まい」だけではなく、建築家の普段の『声という楽器』を、聞いてもらうのがいいのかもしれない。と... 。
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