9664_心の中に棲み続けてしまう一場面・1
日々の仕事の中でも、仕事に限らず日々の暮らしの中でも、一見、大したことでもないような一場面が、ずっと心の中に棲み続けてしまうことって、みなさんありませんか? 私は住設機器のショールームに行った時に、ふと思い浮かぶ一場面があるのです。20年程前のことです。
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とある住まいてさんと一緒に、システムキッチンを選びに、
ショールームに行ったときのことです。
システムキッチンの高さは86cmを中心に、いくつかの高さを選べますが、
『奥行き』に関しては、どのキッチンメーカーも65cmと決まっていて、
私自身も奥行きが選べないことに、何の疑問を持っていませんでした。
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すると、隣りにいた車いすユーザーの住まいてさんは、言いました。
『これでは奥行きが深すぎる。
システムキッチンの奥に転がったものに、手が届かない。
大瀧さん、そんなときの悔しさわかりますか?』
20年程前の、住設機器のショールームでの一場面
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バリアフリー住宅を深く求めるのならば、住宅本体だけでなく、
家具やキッチンまでも、デザインしなくてはならないのだと、
心の中に、ひらめくものがありました。それから1年後、
できあがったのが、バリアフリーな、このオーダーキッチンです。
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