9473_背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に・2
車いすユーザーから入浴のご要望をお聞きする時は、「浴槽に入りたい」のか、「シャワー浴だけでいい」のかを、お尋ねすることから始まります。この住まいてさんは、「浴槽には入らず、シャワー浴だけでいいので、脚を伸ばしてゆったりと入浴したい」とのことでした。
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標準的な大きさのユニットバス、1216タイプ(120cm × 165cm)でした。シャワー水栓は洗い場と浴槽の、両用できる位置にありました。
洗い場だけに入浴台を造り、浴槽はそのままにする方法もありますが、
浴槽があると、洗い場から浴槽に転落してしまうことがあり危険です。
入浴台は浴室全面となる様に、洗い場だけでなく、浴槽の上にも設置することになりました。
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また、背もたれに寄りかかり、両足を「ハの字」に開いて、姿勢を安定させるためには、洗い場だけの入浴台では足りませんでした。
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背もたれと壁との隙間を、12cmとっています。背もたれの上から、壁との隙間に腕を落とし、背もたれに、体を引き寄せるためです。
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ユニットバスのドアは折れ戸でしたが、入浴台とぶつかってしまいます。折れ戸を取り外し、入浴台の設置後、シャワーカーテンを掛けます。
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入浴台は6分割にしました。左側の3組は、浴槽の上に設置した入浴、
右側の3組は、洗い場の上に設置した入浴です。
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ユニットバスと洗面室との段差は、25mmありました。
車いすの前輪が、ユニットバスの中にまで入るので、
この段差の前に、スロープを設置します。
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車いすから入浴台に、移乗しやすくする工夫も必要です。
入浴台の高さを、車いすの座面の高さに合わせるだけでなく、
車いすのフレームがぶつからない様に、切り欠きを入れました。
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賃貸マンションなので、バリアフリーリフォームも、退去時には現状復帰しなくはならず、それを見据えた工事となりました。
マンション選びのポイントは、エントランス回りの行き来しやすさだけでなく、水回りのレイアウトも大切なのだと実感しました。
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