けしからん
日本の組織の場合は、完全リスクゼロでやろうとしてしまう。なにか変わったことをしようとすると"それはけしからんじゃないか"と言ってくる管理的な人がいて、面白いものがなかなか生まれない
登さんは、いまの日本企業が、ルールやコンプライアンスの順守にとらわれるあまり、自由な発想で、新しい技術やシステムを開発する土壌が失われていると考えている。 登さんの言葉を借りれば、むしろ、そうした日本の企業文化こそ「けしからん」という。
ルールは確実に守りながらも、ときには遊びながら、新しい実験的な挑戦ができる空間をきちんと確保すること。これが、新たなイノベーションを生むと登さんは考えている。
この日はIPAでセキュリティーを学ぶ若者たちが、登さんの部屋にやってきて、ゲームで遊んだり、サーバーを分解してみたり、自由な発想で、実験を試みていた。
アメリカのコンピューター会社の歴史がさまざまな本にも載っているが、重要なものを作っていたときというのは、こうした変な雰囲気でやっていた。そうした共通点がある。単に面白いところだからきてみて、ついでにコンピューターの実験をやる。その方が結果として、利益があるのではないかと思う