クリティカルチェーン
https://gyazo.com/9cbbcd93897c36727e497e66c097e3f3
なぜこの本を読んだか
何が書かれている本か
メモ
この本では、クリティカルパス (クリティカルチェーンではない) を以下のように定義している
クリティカルとは、従属関係にあるステップをつないだパス、つまり経路で、いちばん長い経路と定義される
ボトルネックとは、市場が求める数量を製造するのに十分なキャパシティを持たないリソースのことです。
本筋となる考え方は、以下のような図の主張で
クリティカルパスを中心に置く
従属するステップに対して「合流バッファ」を用意する
プロジェクト全体にも「プロジェクトバッファ」を用意する
https://gyazo.com/8c54f96d999561245bdf6d2364f6f9d7
背景にある課題感としては、全てのステップに対してバッファを用意してしまうと結局のところ パーキンソンの法則 のようにバッファをどんどん食い潰してしまうが、ちゃんと考えてみるとボトルネックになっているパスが遅れるのが問題なのであったそれ以外が遅れることは全体のスケジュールにおいては課題視しなくてもいいという考え方 (もちろんクリティカルパスが変わらない範囲での遅れのみが許容される) しかしながら HIGH OUTPUT MANAGEMENT の冒頭で語られているような卵の生産の例でも出てくるように一定のバッファを積んでおかなければリスクが発生してしまうため「合流バッファ」のみを置くようにするのようにバッファを戦略的にかつ限定的に配置しようという考え方。 実際
進捗状況はクリティカルパスでしか評価しないことにしたんです。クリティカルパスの何パーセントが完了したかだけを測る。それだけに的を絞ることにしたんです。
本業などで自分がスケジュールをひく時にも以下のようにしがちなので非常に納得感があった
PERT図のような依存関係を整理した上でクリティカルパスを見つける
律速 を見つけそのパスのみざっくりしたスケジュールを引いてみる ↑ 律速 にだけ力を入れてスケジュールを追いかけるようにする ※ 律速 は「律速段階」から来ててよく使うが伝わらないことが多い よく「そのラインは律速にならないので詳細な見積もりをする意味がない」とか「お尻は結局これなのでこれだけをまず見るようにしよう」ということを言いがちだなと改めて自分の思考を振り返ったりした
クリティカルパスだけで物事を考えていると「共通のリソースを活用するパスが複数ある」というケースにおいてはうまく図に表現することができない。なぜならあくまでもクリティカルパスは手順の依存関係を表現しているが、リソース自体の依存関係は表現しないからである。
本の中でも以下のように書かれいてこのような状況がモチベーションの背景にある
二つのステップがキャパシティに限度がある共通のリソースを必要とする場合、この二つのステップ間には従属関係が発生する。そのことを無視してはダメだ。二つのステップを同時に行うことはできないからだ。同時並行ではなく、順に行わなければいけない。それが従属関係だ。
クリティカルチェーンは、クリティカルパスの図の上でさらにリソースを共通で活用しているところの依存関係を明示するというもの。 (ただ感想でも書くがじゃあこれがどういう風に役に立つかまでは語られていない)
本題とは関係ないが、ガントチャートの説明が非常に納得感があってよかった
ガントチャートは、 PERTのチャートとは違って、意思決定が反映される。どのパスをいつ開始するのか、計画する人間の意思が反映される。
感想
冒頭でも書いたが何か結論めいたこととか「クリティカルチェーン」とはこういうものでこういう問題をこのようなフォーマットであるという話は語られていないので The Goal 企業の究極の目的とは何か と同じような感覚で読むと若干「ちょっと違う」感がある が特に自分は普段から「 律速 するもののみだけ見ればいい」と感覚的に言ってたが少なくも エリヤフゴールドラット は同じことを言っているようでよかった