陰陽五行
宇宙の何もない無からひとつの気(太極)が生まれて、太極が動くと陽となり、動きが止まると静となって陰を生じ、陰と陽の2つの気が生まれた。陽は太陽(天)、陰は月(地)。この陰陽の気の還流によって、木・火・土・金・水の5つの気が生じる。これが五行。陰と陽はお互いに引き合ってバランスを保つ。
陰陽思想では、すべての存在は相反するふたつの性質をもつものの調和からなっているとされている。性質の積極的なものを「陽」、消極的なものを「陰」としている。たとえば、男・春・奇数・天は、陽。女・秋・偶数・地は陰。https://scrapbox.io/files/649d8e1b8a6382001cf8ca5d.png 方角も陰陽があり、南が陽、北が陰。茶道では茶室の入り口を必ず南にして、床の間を陰にしている。茶道具の置き方ひとつとっても、陰陽のバランスが保てるようにかなり配慮している。例えば、角がある棚は陰なので、柄杓を仰向け(陽)に飾るとか、丸い棚は陽だから柄杓は伏せて(陰)に置くとか。陽と陽、陰と陰が重なることをしない。 →過ぎたるは及ばざるがごとし、というようなことなのだろうかと個人的に解釈しているyukka.icon
意見が対立した時にどちらかを選ぶのではなく両方のバランスを取ることを連想したnishio.icon 陰陽は善悪の概念とはまったく違うもの、陰陽のバランスの概念
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五は、木・火・土・金・水の素材。相手を強め影響を与える関係を「五行相生」といい、相手を弱める影響を与える関係を「五行相剋」という。ここも強めるからいい、弱めるから悪いではなく、バランスが重要としている
→茶道のお稽古では、5つの元素を「もっかどこんすい」と呼んだりする。人によって違うかもyukka.icon
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五行相生:木が燃えて火を生じ、火が燃えたあとは土が生じ、土からなる山には鉱物(金)が生じ、金は水を生じ(金属の表面に水滴ができる)、水は木を成長させる。順番に相手を強める影響をもたらす
五行相剋:水は火を消し、火は金を溶かし、金(刃物)は木を切り倒し、木は土を押しのけて成長し、土は水をせき止める。順番に相手を弱める影響をもたらす
五行は季節にも配される。春夏秋冬は、木・火・金・水。土は季節ごとの18日間。土用によって前の季節が終わり、次の季節が誕生する。
急に変化するのではなく、土用の期間を設けて変化を楽しむのは「間(あわい)」が好きな日本人的感覚と感じた。yukka.icon