日本国内での分報の広まり方
歴史
Twitterで"分報" since:2015-01-01 until:2015-12-31 lang:jaのように期間を区切りながら検索する
ほぼ同義で使われる"times"は関係ないtweetが無数に引っかかるので外す
結果
2014以前は言及なし
ただし、@suinは2014年1月頃にすでに分報と同等の取り組みをQiita:Teamで行っていたとのこと
2015-11 @suinによる記事が公開
1年以上実践したうえでの記事なので非常によくまとまっているし2022年でも原典としてよく参照されていそう
記事に対しては、2022年にも聞かれるのとほぼ同じ反応が見られた
ポジティブな反応
自分が好き勝手やっているところに人が来るのはよさそう(Twitter的)
誰が知っているのかわからない状況でも割と無理なく聞けそう
ログが残るのであとから検索できてよい
会話が自然に発生してよい
ネガティブな反応
チーム規模が大きくなったら無理
気になって見てしまうので集中できなくなりそう
1人1チャネルは無理
チームのメインチャネルでやればよいのでは
もともと技術者がやっている振る舞いとの関連が見出される
2016
分報はじめました記事/tweetが大量にあふれる
2017
相談しづらくて溜め込んでいる、他のメンバーの作業の状況や調子がよくわからない、みたいな時に確かに分報チャンネルがあれば便利っぽい
便利っぽいが、全員がそのチャンネルに入っていない限り、真面目な話の場合あまりよろしくなさそう
全員参加ならチームのチャンネルで話すのとあまり変わらなそう→チームのチャンネルをもっと相談しやすい雰囲気に変えた方が良さそう?
作業の可視化をSlackの発言でやるのも微妙そうなので、カンバンだったり何かちゃんとした仕組みを考えるのも良さそうかもしれない
2018
エンジニアが飽きた頃? Twitterでは非エンジニアによる言及が目立ちはじめる
2020
コロナ禍でリモートワークが広まることで生じた課題意識と繋がり再評価の流れ ざっくりまとめ
分報という言葉自体は2015年以前からあった
日報・時報があるなら分報もあるんじゃね、程度のノリ
2015年に他人から見える場所での作業実況に「分報」という名前を付けたのは@suin
もともと解決したかったのは日報の弱点「スピード感が遅い」「解決済みの課題が表面化しにくい」で、プライベートなことや感情をつぶやいたりするソーシャルな効果は副作用的な位置づけ
ソフトウェアエンジニアリングの現場では、オペレーションを行う際に指差し確認とか作業実況とか作業ログとかをやっていたので文化の相性がよく、これに名前がつくことで一気に行動様式として広まった
2016年以降、様々な規模や文化の会社、個人が実践してメリット・デメリットが浮き彫りになり、合わない人・チーム・会社はやめた or 導入しなかった
数年遅れで非ソフトウェアエンジニアや別の界隈にも流行したようす
もともとの起源や課題を認識したうえで使っていることもあれば、スタイルだけ真似しているものもある