ダーウィニズム
ネオダーウィニズムや現代までの潮流
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1842「The Structure and Distribution of Coral Reefs」
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珊瑚礁は徐々に成長し、海底が沈降することによって形成されるという仮説
彼は、珊瑚のカルシウム質の骨格が徐々に海底に積み重なり、それによって珊瑚礁が形成されると考えた。
偶然な自然選択
生態系や周辺環境が複雑系であり、多くの生物の相互作用が絡み合って形成されるため。偶然性と同値に論じてる
現代的総合
自然選択説とメンデル遺伝学を中心として諸分野を統合していた
1.
総合説のフレームワークを築いたドブジャンスキーの「Genetics and the Origin of Species」によってまず動物の進化理論が体系化された。ただ植物は包括されておらず有機体全体の理論ではなかった。
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遺伝進化学の古典
主としてはショウジョウバエについての遺伝学的知見に依拠することで、進化は漸進的な自然選択であると説く。
ただ植物には多倍数性や雑種形成又はアポミクシスなど該当しない遺伝現象が存在した。
多倍数性: 生物が染色体数の増加によって3セット以上のゲノムを持っている性質。同質多倍数体も異質多倍数体いずれの場合でも、ゲノムの数が変わる際に新種が突然生じることがある。
総合説で説明される進化プロセスでは「種内に存在する変異に自然選択が作用し、やがて生殖隔離がなされて新種が生まれる」だがこのプロセスを経ずに新種が生じてしまうため 例外的な進化の道筋として扱われた
進化の道筋を二つに区分して進化論と隔絶した
膨大な時間をかけて突然変異が蓄積する漸進的なプロセス(以下ゆっくり)と並行して、新種をすばやく・突然に・激変的に生じさせるまったく異なったメカニズムが自然界に存在するということはたいそう注目に値する。さらにゆっくりした方法は生物界中に存在するようであり、この意味で一般的な方法と言って差し支えないのに対し、激変的な種の起源は広いとはいえ一部分のグループに限られており、それらのグループは(知られている限りでは)ほとんど植物界に属しているということも、注目に値する。後者の種形成の方法は染 色体組の増加と関係しており,多倍数性と呼ばれる。
雑種形成: ある種と別の種が交雑して雑種を産む現象。これも進化プロセスを経ずに突然新種を生じさせてしまう。ロッツィのhybridizationを進化メカニズムとする説を退けるものの重要性を強調したこといついては正しかったと評価したが未解明の部分を多く残した。
アポミクシス: 受精を経ずに種子が形成される現象。親の遺伝子型がそのまま受け継がれる点。倍数性や雑種形成のように独自の進化様式をもたらすと捉えていないが、その二つがと複合して複雑な進化様式をもたらすことがあり、注目されていた。(非常に特殊な進化状況)とのべた
2.
植物学に総合説を招待したのは細胞学者ダーリントンの「The Evolution of Genetic Systems」である。ドブジャンスキーは物質的基礎から進化的フレームワークを説明しようとしたのに対し、同本では進化的フレームワークから物質的基礎を説明しようとしていた。特にこれまで二者択一であったrecombinationと突然変異による変異(自然選択)の供給源を両立しうるものとして提言したことにより、動物進化と植物進化の共通項を顕現させた。
ただ演繹的で実証性を欠いているため学会の反応は極めて厳しいものだった。
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本書において私が試みたのは、遺伝学を遺伝と変異のシステムの研究として示すことである。これらのシステムは染色体という基礎の上に成り立っており、自然選択というプロセスのために相互連関している。物質的基礎と進化的フレームワークを結合させることによってのみ、生物学というものを全体として理解することができるのだと、私は信じている。
遺伝と変異のシステム=遺伝的システム
この言葉は遺伝や変異といった現象それ自体のあり方のことを指していて、減数分裂・受精・乗り換え・性・不和合性など、遺伝と変異に関わるあらゆる要素を含む広域概念である。
遺伝的システムは一意に定まらない
ex )無性生殖や有性生殖・半数体や二倍体・異系交配を促進又は抑制するもの・様々な種類の遺伝的システムなど...
それぞれの生物グループは、それぞれに異なる遺伝的システムを持っているのである。そしてこの遺伝的システムは、その生物グループの進化に対して多大な影響を保持している。
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前章: 染色体のメカニズムに基づく遺伝的システム
減数分裂であれ、乗り換えであれ、多くの遺伝的現象は染色体が一定の仕方で動くことによって発生しており細胞質などの別の物質によるものではない
この主張は「Genetics and the Origin of Species」のショウジョウバエ遺伝学と対照的である。
そうした染色体の振る舞いを規定しているのが遺伝子型であり、遺伝子は染色体の動作を変化させることができる。
極論、遺伝的システムをコントロールしているのは遺伝型である。
更にこの遺伝子型を構成している遺伝子自身も遺伝したり変異する。
即ち遺伝的システムも遺伝及び変異をする
生物進化の歴史の中で、形態や生理的機能といった形質だけでなく、遺伝的システムも自然選択を受けて適応的な価値の高いシステムに進化してきたのだと主張した。
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後章: recombination(以下組換え)
組換えとは遺伝子の組み合わせを変えるプロセスであり、このプロセスにおいて乗り換えや有性生殖が大きな役割を果たしている。突然変異による自然選択と両立する変異の供給として提唱した。
これにより、多倍数性・雑種形成・アポミクシスといった植物に特有な遺伝的現象にも適応性を見出し、進化の産物として理解することができた。
組換えによる利益を得られるのは雑種、つまり対合する染色体の遺伝子やその配列が異なっている生物に限られると考えた。それゆえ雑種性を安定させることができる遺伝的システムは自然選択上有利であり、植物に特有な遺伝的現象はそのような遺伝的システムである。
多倍数性: 雑種の変異性を高める
雑種形成: 自明
アポミクシス: 稔性の低く通常では繁殖できない雑種に繁殖手段を与えるシステム
3.
Julian Huxley『Evolution: The Modern Synthesis』
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4.
ステビンズ
遺伝的浮動
遺伝子プール内の個体数や遺伝子頻度のランダムな変動。遺伝子プール内の個体数が有限である場合に生じる現象であり、個体の突然死や繁殖に偶然性があるために生じる。
遺伝子プール内の遺伝子頻度は、個体数が多い場合には比較的安定的に維持されるが、個体数が少ない場合には、個体間での遺伝子の伝播に偶然性が生じやすく、遺伝子頻度が大きく変動することがあります。
個体数が非常に少ない場合には、遺伝子の完全に消失することも起こり得るため遺伝的多様性の自然保護的な観点も大事。→Quality Diversity Algorithm??
生殖隔離
拡張された総合
現代的総合をevo devoやゲノミクス及びエピジェネティクスなどにて拡張しうる
派閥
遺伝子中心主義(ドーキンスを代表するような)
進化は遺伝子間の競争であり、遺伝子こそ真の主体で生物体は単なるビークルに過ぎない
ポスト遺伝子中心主義
「The Structure and Distribution of Coral Reefs」等で説明されている複雑性や偶然性が度外視されている]
ある個体の遺伝型と身体的・行動的形質の総体である表現型は1対1で対応しないのではないか
更に「表現型が先を行き、遺伝子がその後に続く」と主張する」 (エバーハート)まで言ってる学者もいる(表現型可塑性=反応基準(連続)/多相現象(不連続))
ロジック
表現型の変化に対して遺伝子がほぼ変わっていない(ペキニーズ)
遺伝子レベルの進化の多くは表現型にほとんどあるいは全く影響しない(カブトガニ)
カナライゼーション(多様な環境条件に対応する緩衝作用であり安定性)などの発達のホメオスタシスにおいてあるレベルでは、表現型可塑性の逆であるが、分子レベルでみれば発生上の相互作用によって順応することだから、可塑性の産物ともみなせる