オーウェル
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一章
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思考犯罪は死を伴わない。思考犯罪が即ち死なのだ。 1-2
ウィンストンの確固たる意思の表明
己を国家の倫理から隔絶することで、思想の逸脱を認識し、生を体感する
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人はロジックがあれば正惡の解釈を超自我的に歪曲する。 社会通念上って言葉、非合理的な意思決定をなんとなく背中押す最凶の生権力であり文化コードだな 彼女欲しいとか
収縮運動を引き起こすのはまさに根源たる洗脳
逆に言語が増えれば思考が多様化する。
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オーグルヴィ同士は、一時間前まで想像上ですら存在しなかったのだが〜これまで現在形で存在した事は一度もなかったにもかかわらず、今や過去形で存在した〜偽造行為が忘れられた途端に、シャルルマーニュやジュリアス・シーザーと同じくらい紛れもない真正なものとして〜 1-4
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はっきりとした意識を持つようになるまで、かれらは決して反逆しない。そしてまた反逆してはじめて彼らは意識を持つようになる。 ウィンストンの日記より
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自由とは2+2=4であると言える自由である。その自由が認められるならば他の自由はすべて後からついてくる。 ウィンストンの日記より
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二人の抱擁は戦いであり、絶頂は勝利だった。〜それは一つの政治的行為だった。
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リンクする人間は3、4人で都度更新される
お互いは確認し得ない
誰も全てを知りえず、絶えず伝播し続ける
反ヘゲモニーの弾圧に耐えうるシステムとして分散的で素晴らしい /icons/白.icon
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第一章: 無知は力なり()
上層/中間層/下層はそれぞれ現状維持/上層転覆/公平平等の目標を持っている。
上層が形骸化すると中間層が大義を被り下層と団結。転覆するや否や下層を隷従状態に回帰させる。
上層は不平等を奉じる際は死後の世界で埋め合わせする約束で穏便化していた。
本来の社会主義は古代奴隷反乱に始まる完成形態でユートピアだったが、オセアニアのイングソック・ユーラシアのネオボルシェヴィズム・イースタシアの死の崇拝をはじめとした1900年あたりの社会主義の変種は専制君主を宣言し、非自由と不平等を永続させ、歴史を凍結させた。 これは上層と中間層の新陳代謝の凍結を可能とした。
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第三章: 戦争は平和なり
第一目的: 生活水準を上げず、工業製品を消費し尽くすこと。
工業化は諸物の民主化であり、諸物のトリクルダウンが起き、富がある基準値に収束していく。それ即ち大衆による階級社会の廃止を予期する。 つまり階級社会は無知と貧困が基盤である。
考えうるレジーム
農耕社会の回帰。
工業化の進んだ諸国との均衡が崩壊し実質的支配下になってしまう
ナショナルな生産制限による大衆の貧困化
軍隊の弱体化に繋がってしまう
大量生産大量焼却
大義による心理的基盤
真の恒久平和とは永遠の戦争状態と同じ
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第三章
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1,2
過去をコントロールするものは未来をコントロールし、現在をコントロールするものは過去をコントロールする。~過去はそこで今でも生起していると思うかね
上記の問いにWは記録と記憶にあると回答
記録をコントロールできる党は記憶をコントロールでき、つまり過去をコントロールできる。ウィンストンがコントロールできていないのは精神異常者である。
ここで敢えて形而上的存在論を提示したのは『存在と時間』に対するある種のアンチテーゼなのでは 対応するものが世界-歴史的なものと現存在であり、それらを掌握さえできてしまえば世界の改竄すら可能。ハイデガーは現存在を一次的に歴史的で世界-歴史的なものを二次的だと表現したが、対応関係が真逆である。 table:存在論解釈
ハイデガー的存在論 世界-歴史的なもの(2次) 現存在(1次)
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これまでのナチス/ロシア共産党は異端審問である。イングソックには殉教など存在しえず、暴力と羞恥による洗浄により、誰もが現状追認の自由意志によって雲散霧消すること /icons/白.icon
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これこそイングソックの思考体系そもそも
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知識の蓄積→啓蒙の漸進的普及→プロレタリアートの反乱
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自己目的化の自覚
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付録
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厳密な定義即ち両義性の排除。論理空間の縮小
二重思考用語
歓喜収容所/平和省→強制労働収容所/戦争省
党員に必要とされたのは、自国の民以外の民は「邪神」を崇拝しているということ以外、他のことを殆ど知らなかった古代ヘブライ人と同じような見方をすることだった。そうした邪神がバール、オシリス、モレク、アシュトレトなど呼ばれることを知る必要はなかった。
イデオロギー的に無色ではない主題について話すときに、できるだけ意識を切り離して話すようにさせることである。〜〜〜政治的或いは倫理的判断を下すよう求められる党員は機関銃が銃弾を一斉に吐き出すのと同様(アヒルのように)、正しい意見を機械的に吐き出すことができて然るべきであろう。-オーウェル
そのためにNazi,Gestapoのような略語化および発音の簡略化が進んだ。
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「1936年〜37年に起こったスペイン内戦とその他の出来事が決定的な契機となり、以後私は自分の立ち位置を理解した。36年以降に真剣に執筆した作品はどの一行をとっても、直接間接に全体主義に反対し、私の理解する民主社会主義を擁護するものである。」
当時の左派は英国労働党。労働党員は潜在的にファシストと見做す。それはスターリン政権との通有性である。 労働者階級のために資本主義と闘う運動を装いながら、自己の権力の確立と永続化に腐心したいること。そして目的が達成されたら一章の通り裏切り隷従状態に回帰させることである。
→チャーチルの報道検閲、賃金や価格の統制、移動規制、戦時故の市民的自由の制限はまさにそれである。 いくぶん込み入った理由によって英国左派のほとんどがロシアの政治体制を社会主義的であると受け入れざるを得ない状況にある。実はその思想も実践も、この国で社会主義と呼ばれているものとは全く異質であると暗黙のうちに認めているにもかかわらずである。それゆえそこにはある種の分裂的な思考が生じている。その思考においては例えば民主主義という言葉は二つの相反する意味を有することが可能であり、強制収容や集団強制退去といった行為が同時に善にも悪にもなりうるのだ。-オーウェル:1948年3月 (ex)アメリカにおいて
戦争を造り出す装置としての国防省
正義の省と呼ばれるに対し、基本的人権を含む憲法の保障する権利を踏み躙る司法省(ファクト有)
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「本当に考えてみたいと思うのは、世界を勢力範囲に分割するということがいかなる意味を内包するかについてだ。」-オーウェル:1948年出版社宛の手紙
これらを土台に接続させたのが1984年の舞台ではないか
オーウェルは二分間憎悪を反ユダヤ主義と対比させナショナリズムという現代の大きな病理の一変種と認識したのでは??
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プロールと付録の真価
30年代にオーウェルは大恐慌にて、職もなく、あるいはあっても貧しさにあえぐ労働者として生活し、その過程で彼らの真の不滅の価値を学んだ。
リルケの「美とは殆ど耐え難い恐怖の始まりなのだが〜」のように正に中庭で歌う婦人から何百万というプロールの暮らしを神秘的な幻覚として体験し「希望があるとするなら、それはプロールたちのなかにある」と放ち、冷徹なクライマックスへ向かう。 付録への拘り
「本というものはバランスのとれた構造の上に成り立っており、すべてを書き直すつもりでなければ、その中のあちこちの大きな塊を適当に削除できるものではない」と40万ポンドの収入を放棄して読書クラブと合議した。
「バーナムが夢想するような巨大で無敵の恒久的な奴隷の帝国などは確立されようがない。もしされたとしてもそれが続くわけがない。なぜなら奴隷制はもはや人間社会の安定的な土台とはなり得ないからだ。」1946:「ジェームズ・バーナムと経営者革命」論文にて 付録は過去形でありプロールの勝利を描いているということ。