ハンス・アルプ
ダダイスム創設メンバー
1955『Unsern täglichen Traum』
我々は自然を模倣するつもりはない。我々は写実するつもりはない。形成するつもりだ。植物が実を形成するように
現代芸術への分水嶺を成したピカソをアポリネールは、「キュビスムを旧来の絵画と分かつものは、それが模倣の技術ではなく、観念の技術であり、さらには創造にまで高められようとする技術である、という点にある」とした。ダダの中核たるアルプが発言した上述の言葉は、まさにこうした芸術の純粋化傾向に対し、それを最も困難としたプラトン的伝統とその呪縛への全き拒絶である。
ハンス・リヒターは「ダダには綱領がないだけでなく、徹頭徹尾反綱領的であった。ダダはどんな綱領ももたないという綱領をもっていたのだ。それがこの運動の時代と歴史的要因に、あらゆる面にむかって美的、社会的制約なしに自由に展開する爆発的な力をあたえたのである」としたが