東京文化会館を中心とした前川國男建築の分析および設計
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現在、 前川國男設計の東京海上ビル (1974) の建て替え計画が話題となっている。 前川は、いうまでもなく日本の近代建築を牽引した建築家であるが、その設計手法や建築空間 については十分に理解および評価がされていないように思える。そこで、代表作であり大学からも近い東京文化会館 (1961) を中心に、前川建築の読解を行う。東京文化会館はJR上野駅改札口の正面に配置され上野公園のホワイエのような存在でもある。大ホール小ホール、会議室、音楽資料館、レストランなどからなる複合建築であるが、限られた敷地の中に各機能が織り込まれた構成はダイナミックでありながら、音楽鑑賞のためのホールとしてこの華やかさと落ち着きを兼ね備えた空間が実現されている。同様の機能を持つ、弘前市民会館や埼玉会館、京都会館なども対象としながら、前川建築の設計手法を分析し、その可能性について考えてみたい。後半では、そこで得られた方法を活かして、各自で設計を行う。