ポスト産業社会
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産業はわたしたちの生活や地域の風景を規定してきました。これからの産業のあり方を考察し、生活スタイルや風景と共に建築を構想してみたいと思います。新型コロナウィルスの感染拡大は、確実にこれまでと異なった生活を強いていますが、その一方で、変わらぬ価値や再評価される価値というものを炙り出しています。情報技術の進展やグローバリズムによって、移動や交換の規模や頻度が桁違いに進展してきました。今後は量的な拡大ではなく、質的な変化が進むでしょう。たとえば、オフィスビルや住宅についてはおそらく、集約型ではなく離散的なあり方が模索されるでしょう。しかし、この場合の移動手段やエネルギー調達はどう考えたらよいでしょうか。コンパクトに複合化するあり方が模索されるのかもしれません。土地や場所に依拠する一次産業を考えてみると、たとえば食料供給の安定性はこれまでとは違った価値を帯び始めるように思います。
産業は人間が生活していくために必要な活動であり、社会的な分業です。分業である以上は、移動と交換が前提です。移動や交換の質が大きく変化するポスト・産業社会では、どのような建築や風景が描けるでしょうか。昨年度の成果は、移動と交換に着目して建築を構想することの可能性でした。この知見をもう一段階進め、どのような風景を描けるか、皆で追求してみたいと思います。一緒に考えていきたいと思います。