耳を慣らすよりスキーマ
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リスニングの学習に時間を使うなら、そこから何を得たいのかを先にきちんと考えるべき。まず耳を慣らすことを目的にするのか、内容を大体把握できることを目標にするのか。 考えてみたら、日本の中でも、慣れない土地でいきなり方言で話しかけられるとよく理解できないことがある。それと同じだ。バーミンガムの英語も、何日か滞在するうちに耳も慣れ、普通に理解できるようになった。しかし、すぐに耳が慣れて聴き取りができるようになったのは、相手が使う単語をほとんど知っていて、かつ内容についてのスキーマが十分にあったからである。方言、なまり以前に、内容についてのスキーマがない、語彙力が足りない場合には、聴き取ろうとするより、まず語彙を増やすことに時間を使った方が有効。急がば回れ、だ。 もう一つ大事なことは、聴き取りが苦手と思ったらマルチモーダルな状況、つまり、音声以外に視覚情報もあり、内容についてのヒントを与えてくれる映像メディアを練習に使うことである。また、聴き取れなかった部分をスキーマで補えるような教材が良い。例えば、自分の好きな映画はリスニング学習のとてもよい教材になる。スポーツが好きなら、スポーツの中継でもいいし、料理が好きなら英語で放送されている海外の料理番組も良い。テレビ中継だと、英語がどんどん流れてしまってついていけないかもしれない。そういう時はそれを録画しておいて何度も見返すといい。字幕なしでわからなければ字幕付きでみてもいい。