共起の知識
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ある単語を適切に使うためには、それと一緒に使われる単語についての知識が欠かせない。一緒に使われる単語を「共起する単語」あるいは「共起語」と呼ぶ。 動詞を使って自然な文を作るには、その動詞の主語、目的語になりうる名詞を知っていることがとても重要である。なぜなら、共起する名詞に共通する性質が、意味の近い二つの動詞の「意味の違い」を作るからである。
例えば、日本語では身につける動作を表す一連の動詞を目的語となる名詞によって使い分ける。「(上着を)着る」「(ズボン、靴を)履く」「(帽子を)被る」「(手袋を)はめる」「(マフラーを)巻く」など、動詞の意味は目的語(身につける対象を表す名詞)との共起関係でほぼ決まる。
pursue と chase という二つの動詞は、 pursue は carrier, goal, degree, education などが共起目的語となりやすく、chase の共起目的語は cat, rabbit, ball, pack などが多い。前者は抽象概念、後者は物理的に動くものが「追いかける」対象になることが多く、この共起目的語の違いが二つの動詞の「意味の違い」になっているのである。