戸籍制度の問題点
明治期以降の近代国家成立後の戸籍制度の成立と展開を考察するなかで、太平洋戦争後には戦前と比較して法制度が大きく変わったにもかかわらず、旧来の 「家」 意識が根強く残存してきたことを指摘 それにもかかわらず、性別役割分担などの 「家」 意識が根強く残っている たとえば、選択的夫婦別氏制度や個人単位の登録制度を主張する人々が声を上げれば、それに対して必ず 『家族の絆』 を弱めるものだ、『家族がばらばらになる』という反論が出てくる このような状況を生み出す原因のひとつとして、「家」 意識を温存する装置として戸籍制度がある なぜこれらの人々を分けなければならないのか
戸籍が身分関係登録のみならず、ほかに目的をもつものである 天皇制と戸籍制度はパラレルなもの
「序列」 が生み出されたかたちで配置され、相補関係にある
たとえば、皇室典範は、皇族が 「皇統譜」 から脱し、戸籍に編入されることを 「臣籍降下」 と明記 戸籍簿は 「天皇にまつろう者」 が登録されるシステム 天皇制における 「臣民」 存在を明らかにし、その 「臣民」 を 「家」 として組織することが目的 そこでは 「天皇制社会を支配する者は除外され」、外国籍住民のように 「天皇制の支配に服さない者 (まつろわぬ者) も除かれる」
このような戸籍制度は 「天皇制の支配に服す者 (まつろう者) だけの登録簿」 としての機能をもつ
参考文献