同性間の〈婚姻〉に関する批判的考察--日本の社会制度の文脈から
#同性パートナーシップ制度 #同性間パートナーシップ #戸籍制度 #家族 #モノガミー #文献
https://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/ssrc/result/memoirs/kiyou21/21-02.pdf
https://ci.nii.ac.jp/naid/110007860974
著 : 堀江有里
同性間パートナーシップの保護に反論する立場
同性愛者の人権擁護を否定する立場 ← こちらには特に踏み込まない
同性愛者の人権擁護の立場
同性愛者の人権擁護の立場からの反論
法的保護を求めることによってとりこぼされていく存在を認識することの必要性
法制度自体がはらんでいる問題
そこから生み出されていく弊害
おもな論点
1. モノガミーな関係性 (「一対一」 の関係性) のみに特権を与えることによって生み出される排他性
2. カップル主義を称揚することでセクシュアリティをめぐって階層秩序が生み出されること
3. 婚姻制度が創出し、維持してきた規範の問題
もともと婚姻制度は異性間パートナーシップの保護
背景には異性愛主義という規範があった
そのような婚姻制度を同性間にも適用するのは、機会の平等ではなく同化政策になりうる
マジョリティのもつ規範は社会構造のなかに埋め込まれている
それに抵抗しようとしても、抵抗する側、問題化しようとする側にとってのさらなる課題が浮上してくる
マイノリティに対する差別や抑圧をめぐる多くの事柄と同様、マジョリティの価値観は問われないままに、マイノリティにのみジレンマが課せられる
法律から見る家族像 (弁護士の李玲鈴の指摘)
(日本の ― 引用者註) 民法を読むと,「家族」 として法律で保護されるには様々な要件が必要であることがわかる.しかも,それは個人の主体的選択を尊重するものではなく,国家が要求する 「家族」 のあり方を示すものだ
異性間であっても誰もが婚姻関係を結べるわけではなく、限定された枠組が設定されている
法的保護を求めるためには、ある特定の 「関係」 に枠組を設けなければならない
つまり、法律が定める 「家族」 像のなかに参入するために国家に対して承認を求めるということ
同時に李は 「法的家族」 を規定する戸籍制度の問題性を検討することの必要性にも触れている
人々の関係性は無限に多様 → あらゆる関係を保護するような要件を定めることはできない
保護されるべきは関係そのものではなく、そういった関係を選択した個々の人々ではないか
戸籍制度の問題点