健常発達という病
病理の仕組みの説明
もともと、「私」 という存在は、周りからの承認によってようやく自分をひとつに束ねられる不安定な存在 周りからの承認は、いつ恣意的に相手に止められてしまうかわからないもの
「私」 の存立にかかわるこの不安定さは、直視すると耐えがたい不安を引き起こすもの
健常発達の一次的な病理は、承認が不足すると自分がばらけてしまうというその状態そのもの
病理に対する脱出方法
1. 昭和における定型的な脱出方法
周りからの承認に左右されないちゃんとした 「私」 を探し出し、そうした私であること
このやり方が有効であるためには、手本が向こう側にあり、その手本が世間から承認されている必要がある
大きな物語が有効に機能して、自分が家庭や社会で果たしている義務がそのまま社会の要請を満たしていると信じられた理想の時代 門の向こうの大きな物語と一体化するという生き残り戦略もある 2. 平成・令和的な手当ての試み
途切れなく何らかの形で外部から承認を獲得する
SNS の普及もあり、仲間内の小集団でゆるく継続的に承認を得るのは容易になった 参考文献