基礎ゼミナール(2019年度までの内容)
シラバスでは伝わりにくい内容について説明します。
(このページは2019年度前期までの内容を掲載しています。2020年度の内容はこちら → 基礎ゼミナール) hr.icon
■基礎ゼミナールってどんな授業?
基礎ゼミナールは、次の3つを全クラス共通の目的とする授業です。
①「自ら学び、考え、行動する」という能動的な学習姿勢を身につける。
②「調査し、まとめ、発表(表現)し、討論する」ための基本的な技術・能力を修得する。
③グループ討論や共同調査を通じて、豊かな人間関係を形成するために必要な力を身につける。
つまり、
①能動的に学ぶ姿勢
②大学で学ぶためのスキル
③他者とともに学ぶ姿勢
を身につける、いわば「大学生として学ぶ基礎を身につけるための授業」です。
どのクラスもこれを目的として開講されています。
■このクラス、何やるの?
シラバスにあるように、近藤クラスのテーマは
「データをもとに生活・学習のプロセスと成果を分析・可視化してみよう」です。
その目的は、「大学での学習を、なるべく充実したものにすること」です。
それを、自分自身で考えてみよう、というのがテーマです。
自分が、何にどのくらいの時間を費やしているかを、ハッキリとデータで確かめてみたことはありますか?
このクラスでは、みなさんの「生活データ」「学習データ」をみなさん自身が記録し、みなさん自身がそれを分析する、
そして、それをもとに、大学での学習をより充実させるためにどうすればよいか考え、改善計画を立てる、
そんな活動を行います。
授業中に、細かく何かを「教えてもらう」ことや、「ずっと講義を聞く」ようなことはほとんどありません。
どうすればよいのかを自分で考え、調べ、分析し、発表する。その対象は自分自身のデータ。そんな授業です。
■どんな力が身につくの?
上で紹介した、基礎ゼミナール共通の目的を達成するために、
このクラスでは、次の5つの「学習目標」を立てました。
① 大学で学ぶための基礎スキルを習得し、大学での学びを効果的に進めることができるようになる。
② 課題解決に向けて自ら情報を収集し、適切に活用・表現することができるようになる。
③ グループワークの実践を通して、他者との協働的な活動ができるようになる。
④ データ分析の基礎的な考え方を理解し、初歩的な実践ができるようになる。
⑤ 自らの学びのプロセスを的確に把握し、データにもとづいた改善計画を策定できるようになる。
みなさんが自分の生活・学習データを自ら記録し自ら分析する、
その活動を通して、この5つの目標を達成できるように、授業を設計しています。
成績評価も、「これらの目標をどれだけ達成したか」によって判断します。
また、授業中あるいは授業外課題において、WordやExcel、PowerPointといったツールを使います。
これらは、大学で、また社会に出てから、いやでも(?)触れざるを得ないと思われるものです。
基本的に「使い方を教える」ことはあまり行いませんが、この授業の学習を通して、
自然とそのスキルも上達することでしょう。
■で、結局、実際に何やるの?
生活・学習に関するデータを自分で記録し自分で分析する、とここまで説明してきましたが、
具体的にはどうするのでしょうか?
原則的には、表計算ソフトのMicrosoft Excelを用いて、特定の形式でデータを記録・管理していきます。
各自のデータは匿名化してクラス内でシェアし、グループで分析手法を考えるということも行います。
基本的にはそのようなデータを用いますが、
「大学での学習を、なるべく充実したものにする」という目的を達成できるものであれば、
さらに独自のデータを使って分析を行ってもOKです。
ただし、「データにもとづいて改善計画を立てる」ことが条件です。
「私はこう思う」という意見のみではなく、「データにもとづく」ことがポイントです。
みなさんの中には、受験勉強などで、学習時間などを記録するアプリを使っていた人もいるかもしれませんし、
スマホやウェアラブルデバイスを使って、歩数、心拍数、睡眠時間など、健康データを記録している人もいるかもしれません。
たとえばそういうものを用いるのもOKです。
授業の進め方を簡単にまとめます。
次のように、大きく4つに分けて全15回の授業を行います。
もちろん、さらに授業の効果を高めそうと判断すれば、柔軟に授業内容を調整していくこともあります。
《第1~3回:導入》
この授業の説明等を行います。
大学で学ぶためのスキル(レポートの書き方等)について学びます。
《第4~8回:生活・学習データの分析・可視化方法の検討(個人&グループワーク)》
生活データや学習データをどのように分析すればよいか、その方法を考えます。
グループごとに方法を検討し、第8回のプレゼンテーションで、クラス全体にその知見を共有します。
《第9~14回:大学生活をよりよくする計画の検討(個人ワーク)》
みずからの生活・学習データをもとに、今後の改善計画を検討します。
検討結果は、第12~14回に一人ずつプレゼンテーションします。
《第15回:まとめ》
この授業のまとめを行います。
全体を通して、授業時間外においても学習が必要です。
生活・学習データを記録すること自体も学習活動ですし、レポートを書く、本やWeb上の情報を調べる、
プレゼンテーションの準備をする、グループで集まって打ち合わせする、
あるいは「学習活動をふりかえって言語化する」など、すべて学習活動です。
これらは授業時間内だけではとても完結しません。授業外の自主的な学習が必須になるでしょう。
■昨年はどんな発表があった?
昨年の基礎ゼミナールでは、グループワーク、個人ワークともに、
とてもさまざまな切り口での分析・可視化が報告されました。
たとえば……
学習時間と生活時間の関係
アンケートからわかる学習スタイルと実際の学習時間の関係
学習する時間帯の可視化
何に時間を費やしているかの内訳の可視化と曜日ごとの傾向
などなど。
そして、それにもとづいて一人ひとりが課題を発見し、後期以降の改善計画を発表していました。
今年も、みなさん自身の自由な発想で「学びのプロセスの分析・可視化」をしてみてください。
■さいごに
データをコツコツと記録し、分析・可視化するのは思った以上に大変な作業ですが、
実際にデータをもとに分析することで、時間の使い方などを客観的に見直す機会になると思います。
また、時間の使い方や学びのプロセスといったものは、個人の価値観や環境に大きく左右されるものです。
基礎ゼミナールは幅広い所属の学生が集まる授業ですので、
このクラスではそうした多様さにかなりハッキリと触れることができると思います。
それはきっと、自分の視点を豊かにすることにつながるでしょうし、何より楽しい経験になると思います。
この基礎ゼミナールがそうした場となることを願っています。
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