基礎ゼミナール
本ページの最終更新日:2022/4/7
シラバスでは伝わりにくい内容について説明します。
履修検討中の方、また近藤クラスに配属となった方は、以下をよく読んで、授業内容をイメージしてください。
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基礎ゼミナールってどんな授業?
基礎ゼミナールは、次の3つを全クラス共通の目的とする授業です。
①「自ら学び、考え、行動する」という能動的な学習姿勢を身につける。
②「調査し、まとめ、発表(表現)し、討論する」ための基本的な技術・能力を修得する。
③グループ討論や共同調査を通じて、豊かな人間関係を形成するために必要な力を身につける。
つまり、
①能動的に学ぶ姿勢
②大学で学ぶためのスキル
③他者とともに学ぶ姿勢
を身につける、いわば「大学生として学ぶ基礎を身につけるための授業」です。
どのクラスもこれを目的として開講されています。
このクラス、何やるの?
シラバスにあるように、近藤クラスのテーマは
「「記録」を通してよりよく学ぶ」です。
その目的は、「大学での学習を充実したものにすること」です。
それを、自分自身で考えてみよう、というのがテーマです。
みなさんは、「私はこれを学んだ」という「学習成果」を、うまく表現することはできますか?
また、「自ら学ぶための方法」を十分に身につけているでしょうか?
このクラスでは、みなさんの「学習」に関する記録をみなさん自身が行い、みなさん自身がそれを分析する、
そして、前期における学習成果を分析してまとめる、そんな活動を行います。
さらに、「学ぶための技法」を調査し、体験し、クラス全体で共有します。
生活や学習を「振り返って意味づける」ことは、学び続けるうえでとても大切な活動です。
いずれ、就職活動などにおいても、大学で何を学んだのか、自分自身の強み(と弱み)はなにか、
ということを分析する局面が訪れます。
そのときに、「記録し、整理しておくこと」のスキルと習慣があれば、とても役立つことでしょう。
学習のプロセスや成果をデジタルで蓄積・整理したものを「eポートフォリオ」と呼びますが、
この基礎ゼミナールでは、このゼミが終了したあとも役立つようなeポートフォリオをみなさん自身が作成し、
クラス全体でその効果的な作成方法について考えていく、という活動を行うことになります。
そして、「どのように学べばよいか」という「学ぶための技法」を用いた結果も記録に残し、
これを振り返りながら学習を改善していくことを体験します。
授業中に、細かく何かを「教えてもらう」ことや、「ずっと講義を聞く」ようなことはほとんどありません。
どうすればよいのかを自分で考え、調べ、分析し、発表する。その対象は自分自身のデータ。そんな授業です。
どんな力が身につくの?
上で紹介した、基礎ゼミナール共通の目的を達成するために、
このクラスでは、次の4つの「学習目標」を立てました。
いずれも、大学で学ぶうえで、また社会に出てからも役立つ力です。
(1) レポート作成など、大学で学ぶための基礎スキルを習得し、大学での学びを効果的に進めることができるようになる。
(2) 課題解決のために必要な情報を自ら収集し、適切に活用・表現することができるようになる。
(3) 共同作業の実践を通して、他者との協働的な活動ができるようになる。
(4) 学習に関する記録を適切に蓄積し、これに基づいて自らの学習成果を評価し改善計画を立てることができるようになる。
みなさんが自分の生活・学習を記録し自ら分析する、
その活動を通して、この4つの目標を達成できるように、授業を設計しています。
成績評価も、「これらの目標をどれだけ達成したか」によって判断します。
また、授業中あるいは授業外課題において、WordやExcel、PowerPointといったOfficeソフトや、
GoogleスプレッドシートやScrapboxといったオンライン上のツールを用います。
これらは、大学で、また社会に出てからも使用する可能性が高く、使いこなせると有効なツールです。
基本的に「使い方を教える」ことはあまり行いませんが、この授業の学習を通して、
自然とそのスキルも上達することでしょう。
さらには、グループワークもオンラインツールを活用して行います。
これからの時代は、こうしたオンライン上で共同作業を行うことが当たり前になっていきます。
オンラインでの共同作業とはどんなものか? どのように効果的で、どのような難しさがあるのか?
それを体験してもらおうと思います。
で、結局、実際に何やるの?
学習に関するデータを自分で記録し自分で分析する、とここまで説明してきましたが、
具体的にはどうするのでしょうか?
原則的には、GoogleスプレッドシートやScrapboxなどのオンラインツールを用いて、
以下2種類の形で生活・学習のプロセスと成果を記録していきます。
(1) 学習(や生活)について、何にどれだけの時間を使ったのかという「時間の記録」
(2) さまざまな授業や授業以外の活動で、作成したレポートや作品、調べた情報等の「学習のプロセスと成果物の記録」
そのほか、「大学での学習を充実したものにする」という目的を達成できるものであれば、さらに独自のデータを使って分析を行ってもOKです。
みなさんの中には、受験勉強などで、学習時間などを記録するアプリを使っていた人もいるかもしれませんし、
スマホやウェアラブルデバイスを使って、歩数、心拍数、睡眠時間など、健康データを記録している人もいるかもしれません。
たとえばそういうものを用いるのもOKです。
「学ぶための技法」については、これに関する文献を読み、グループで共有します。
そして、実際に「やってみる」。その結果をグループで共有し、議論する。
最後にはグループで得た知見をクラス全体に共有する。…こんなことを行います。
授業の進め方を簡単にまとめます。
次のように、大きく4つに分けて全15回の授業を行います(第1回は4/1の基礎ゼミガイダンス)。
もちろん、さらに授業の効果を高めそうと判断すれば、柔軟に授業内容を調整していくこともあります。
《第1~2回:導入》
この授業の説明等を行います。
《第3~9回:学習の記録・分析方法および学ぶための技法の検討(グループワーク)》
学習の状況をどのように記録し、どのように分析するか、その方法を個人およびグループで考えます。
学ぶための技法について文献を読んだり調査し、これを実践して、グループで共有・議論します。
第9回授業では、グループで得た知見をクラス全体に発表し、共有します。
その他、大学で学ぶためのスキル(レポートの書き方等)についても学びます。
《第10~14回:前期の学習の分析と学習成果のまとめ(個人ワーク)》
自らの学習記録をもとに、前期の学習のプロセスや成果について分析します。
分析結果と改善計画を、1人1本のレポートにまとめます。
第13・14回にはそれぞれの個人ワークの成果をクラス全体に共有します。
《第15回:まとめ》
この授業のまとめを行います。
全体を通して、授業時間外においても学習が必要です。
学習データを記録すること自体も学習活動ですし、レポートを書く、本やWeb上の情報を調べる、
プレゼンテーションの準備をする、グループで打ち合わせする、
あるいは「学習活動をふりかえって言語化する」など、すべて学習活動です。
これらは授業時間内だけではとても完結しません。授業外の自主的な学習が必須になるでしょう。
学習活動においては、Microsoft Word, Excel, PowerPointを主に使用するほか、
ScrapboxやGoogleスプレッドシートなど、インターネット上のクラウドサービスにより学習活動を行います。
さいごに
データをコツコツと記録し、整理し、分析するのは思った以上に大変な作業ですが、
実際にデータをもとに分析することで、時間の使い方や学んできたことなどを客観的に見直す機会になると思います。
また、時間の使い方や学びのプロセス・成果といったものは、個人の価値観や環境に大きく左右されるものです。
基礎ゼミナールは幅広い所属の学生が集まる授業ですので、
このクラスではそうした多様さにかなりハッキリと触れることができると思います。
それはきっと、自分の視点を豊かにすることにつながるでしょうし、何より楽しい経験になると思います。
さらには、「よりよく学ぶ」ために、さまざまな知見が生まれ、シェアされるような、
そんな場に、この基礎ゼミナールがなることを願っています。
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