柔かいエッセンス作り
これはKJ法の一行見出しを作る際の話だが、Scrapboxのページタイトルについても同様だと思う。 意味のエッセンスをつくる場合に、ひじょうに大切なことがある。それは、過度に抽象化しすぎないことである。むしろ、できるだけ柔かい言葉で、発言者のいわんとした要点のエッセンスを書きとめるのがよいのである。たとえば、酒を飲むことについて、それを好意的に論じた発言があったとしよう。それを一行見出しに圧縮するのに、「飲酒効果の是認的発言」などと書くよりも、「酒は飲むべし」と書いたほうがよい。 この点で、経験の示すところでは、おもしろい一問題がある。すなわち日本の男性はしばしばこの点で誤りを犯しがちである。それは、必要もないのに、発言内容のエッセンスをむずかしい術語や堅い熟語で、妙に高度に抽象化しすぎた一行見出しをつくりがちなことである。これはいけない。なるべく柔かく、もとの発言の肌ざわりができるだけ伝わるようにと表現するのがよいのだ。もとの発言の土の香りをなるべく伝えた一行見出しがよいのである。