専門家はマネジメントできない
これまでの組織では、部下の行うことは上司が知っていた。上司自身、数年前には部下と同じ仕事をしていた。しかし知識組織では、上司は部下の仕事を知らないものとみなさなければならない。通常、上司は部下と同じ仕事を経験していない。 部下が専門知識を扱うようになると、上司は部下の仕事を知らないのが前提となる
オーケストラの指揮者には、オーボエの演奏はできない。
上司は部下の仕事を代わりにやることはできない
やるための知識を持たない
しかし指揮者は、オーボエがどのような貢献をしなければならないかを知っている。
つまり、仕事自体の詳細なやり方などに立ち入ることはできず、その仕事によってどういう貢献が必要なのか、という一段階抽象化されたレイヤーで扱う
知識を基盤とする組織においては、あらゆる者が自らの目標、貢献、行動について責任を負う。ということは、組織に働く者はすべて、自らの目標と貢献について徹底的に考え、責任を負わなければならないということである。 この話が、MBO(Management By Objective)になり、その後OKR(Objective and Key Result)へと繋がる。 組織の中の人間は、自らの目標、自らの優先順位、そして自らが行おうとする貢献について、上、下、横の同僚に対して知らせる責任をもつ。もちろん、自らの目標を組織全体の目標に合致させる責任をもつ。