大本営マネジメント
nishio.icontokorotenが「大本営マネジメント」というキーワードで色々考察してたと思う、軽くまとめて
自著から当該部分を丸っと
https://gyazo.com/2fbc0021f48629c529021704dc4badce
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以下は tokoroten 氏が提唱する「大本営マネジメント(=大本営発表マネジメント)」のエッセンスを、ごく手短に整理したものです。 キーワードの概要
第二次大戦中の「大本営発表」のように、実態より“勝っている”という景気の良い情報だけを上層部が発信し続ける社内統治スタイルを指す。 基本構造
HQ(司令部)が抽象的課題を細分化し、各部門に数字目標を配る。現場は数字を追い、HQは終始ポジティブな発表で士気を維持する。
関連
どうして陥るのか
1. 不安耐性の低い人が多い組織
不安に弱い社員が過半を占めると、現実を淡々と共有するより“安心材料”を与える方が短期的に楽になる
2. 人数急増フェーズでの“凡人戦力化”
40→100人規模を超えると、抽象度の高い議論が難しくなり「大本営」が必要になる、という観察。
3. 職能昇進とマネジメント未経験
管理職能力のない人がトップに立つと「俺たちは勝っている」型アピールに走りがち。
メリット(発生を助長する要因)
評価が容易
数字目標に落とすだけで個人・チームの良し悪しが判定できる
普通の人を採用しやすい
抽象度の低いタスクに分解されているため即戦力化しやすい
HQの意思決定が楽
シンプルなコマンドを出すだけで回せるため負荷低減
デメリット・破綻パターン
現実との乖離・隠蔽
視野の広い人材の流出
最終的な崩壊
成功物語が現実と衝突した瞬間、信頼と士気が同時に瓦解する。tokoroten氏自身「なぜ組織が崩壊するのか記事を書く」と言及。
防ぐには
ネガティブ情報を含めた透明な共有を奨励し、失敗談も語れる心理的安全性を設計する。
不安耐性・ネガティブケイパビリティを人材要件として明示し、組織文化として育成する。
HQが現場データに基づき仮説を更新する「スカウトマインド(Scout mindset)」を実践する。
**一行まとめ**
tokorotenの「大本営マネジメント」とは、数字管理+常勝発表で“不安耐性の低い大多数”を動かす即効性モデルだが、現実直視を失うと組織ごと破綻する――という警句である。