大きな組織の中に小グループを作ることで活動機会を増やす
大きな組織の中に小グループを作ることで活動機会を増やす
realNuun 『危険だからこそ知っておくべきカルトマーケティング』の中にも「大きな組織の中に様々なグループを作ると関係性が濃くなる」って話があった >realNuun: 弊サービスのコミュニティをせっせと育ててきて、良い感じに盛り上がってはいるんだけど、「ダンバー数的な制約あるから、無限にスケールさせたい時に単一のコミュニティを軸にするのは無理あるのでは?」とハッと気づいてしまった ユーザーが勝手に複数のコミュニティを作ってくれる構造が必要っぽい
https://gyazo.com/4d34471b1f2b792d6c6977d0ba6736b5https://gyazo.com/c12f60394387ff7d89847be3f3b7b171
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小グループを作ることによって活動機会を増やす
教会成長運動の項目でも言及した小グループだが、大きな組織の中に様々なグループを作る手法は他でも活用されているものだ。 小グループは組織との関係を強化し、会員が関わる活動の種類を増やすのに有効な手段である。
例えば筆者が登録していた、とある芸能人が主導するオンラインサロンでは様々なプロジェクトが行われており、会員はその一員として参画できた。 また同様に、芸人出身の都市伝説インフルエンサーが運営しているオンライソサロンでは様々な部活の他、参加時期 (同じ時期に登録した仲間を同期と呼んでいた) や地域といった属性別のグループも作られており、他の会員との繋がりを作りやすい工夫がされていた。同期や地域は参加と同時に割り振られ、部活も登録時に選択する方式となっているなど、運営側が意図的に会員同士の関係を濃くしようとしているのがうかがえた。
このように多様なグループを用意することで、会員は多種多様な活動を通してサロンと繋がることができる。ちなみに後者のオンラインサロンでは、日々世の中のニュースから世界の真実を考察するような投稿が流れてきていたが、会員が主に何をやっていたかというとバーベキューや飲み会、 サバイバルゲーム、旅行などであった。 つまり、世界の真実を追求するような雰囲気で集まってはいたものの、結局のところ会員が楽しんでいたのはこの章の冒頭でも挙げた集会や懇親会だったのである。 部活や同期、地域といったグループは、仲間と交流する場を作る良いきっかけとなっていた。 地域別のコミュニティを作って交流させるという意味では、神真都もまたその例の一つである。 神真都では都道府県別に支部が作られ、リーダーやサブリーダーといった役職が設置されていた。 会員は支部ごとにデモを準備・実行し、その後の打ち上げで交流を深めた。神真都Qはこのように地域別に活動を実施させる仕組みを整え、総勢約6,000人を集める全都道府県デモを実現した。もしも東京に一極集中させる方式であれば主催 スタッフに対する一般参加者の比率は遥かに大きくなり、組織との繋がり感はもっと薄くなっていただろう。
陰謀論系の集団としては他にも2020年に亡くなった俳優、 三浦春馬さんの死は不審死である (自殺ではなく、 他に真相がある)と訴えている集団も全国各地でデモやビラ配りを実施している。一度筆者が参加者に取材を行った際は 「全国各地で仲間が活動しており、少なくとも関東は制覇しました!」と嬉しそうに語っていた。 SNSで遠くの仲間が活動している姿を観察し、時空を越えた絆を感じていたのだろう。