公共財のマトリクス
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公共財のマトリクス
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この図は、排除性×競合性で財を4類型に分ける「財の4類型(private / club / common-pool / public)」の標準図です。
単独の1本が出典というより、各象限を定式化した古典が積み重なって定着しました。
公共財(非排除×非競合)を定式化:Paul A. Samuelson, “The Pure Theory of Public Expenditure” (1954). PDF
クラブ財(排除×非競合)を提案:James M. Buchanan, “An Economic Theory of Clubs” (1965). PDF
コモンプール資源(非排除×競合)を体系化:Elinor Ostrom, Governing the Commons (1990).
Ostromより前にこの2x2の図はなかった?nishio.icon
ありました。少なくとも「1990年のOstrom本」より前に、Vincent Ostrom & Elinor Ostrom (1977) がすでに排除性×(競合性=彼らは“jointness/subtractability”と表現)で4類型を示す**2×2の図(Figure 1: Types of Goods)**を載せています。ここで private/toll(のちのclub)/common-pool/public の4区分が同じ配置で明示されます。
Public Goods and Public Choices PDF
Samuelson (1954) が「共同消費(非競合性)」を定義して純粋公共財を定式化、
Musgrave (1959) が「(非)排除性」を理論に組み込み、
Buchanan (1965) が「クラブ財(排除可×非競合)」を提示、
具材は出揃っていましたが、これらを一枚の2×2に統合して四象限を体系化した明確な図としてはOstrom & Ostrom (1977) が決定版です。その後、Cornes & Sandler (1986/1996) などの教科書で一般化しました。
要するに、図としての2×2は1977年のオストロム&オストロムが源流で、1990年の『Governing the Commons』はその分類のうち「コモンプール資源」の制度設計を本格展開した位置づけ、という理解でOKです。
Samuelson
Buchanan
Ostrom