主観的興味深さ推定システム
広聴AIのような「大量のオブジェクトがベクトル空間に埋め込まれている」的シチュエーションに関して
抽出された知見(大量のオブジェクト)の中から、分析者が興味深いと思うものを抽出したい
ただし、この「興味深さ」は主観であり、何を興味深いと思うかは既知ではない
主観的興味深さ
分析者はそれを言語化できていない
なのでAIは分析者との対話を通じて「分析者が何を興味深いと思うか」を探らなければならない
おそらく「すでに知っていることの一歩外側」
関連: 今持っている知識の一歩先の知識しか受け止められない
ランダム提示→-2~+2の五段階で「面白さ」を評価、そのデータを使って意見のembeddingの空間でガウス過程回帰とかで未知のものに対する「面白い度」を推定、+1SDしてUCB-1的な利用と探索のトレードオフをして提示していく
ver.2GPT5.icon
目的
抽出された知見の中から、分析者本人が“興味深い”と感じるものを自動で選ぶ。ただし“興味深さ”は主観で、事前には分からない。
方法
1. まずランダムに知見を提示し、-2〜+2の5段階で“面白さ”を評価してもらう。
2. 各知見は埋め込みベクトルで表現する。評価済みの点をもとに、ガウス過程回帰(またはその近似)で、未評価の知見について**予想スコア(μ)と不確かさ(σ)**を推定する。
3. 次に提示する候補は UCB = μ + 1σ が高いもの(=良さそう&未知)を優先し、類似しすぎるものは減点して多様性も確保する。
4. これを繰り返すことで、その人の主観に合わせた“面白い知見”の提示精度が自動で向上する。
追記nishio.icon
一人で使っても面白いが、複数人で使うと「Aさんは面白がってるけどBさんは面白いと思ってないらしい、何が面白いのか説明して」みたいなことができる
Cartographerっぽい仕組み
「みんなこれが面白いことに合意しています」もできる
GPT5.icon
わかりやすく言い換えると、こういう仕組みです。
一言サマリ
人が“面白い”と感じる基準は最初は不明なので、少しずつ学習する。
ランダムに候補を見せて5段階で評価してもらい、似た意見は似たスコアになるという前提で“面白さ”を埋め込み空間上で予測。
その予測から、良さそう&まだ不確かなものをバランスよく次に提示する。
なぜこうするの?
“興味深さ”は主観で人それぞれ。ルールを先に決められない。
だから対話的に学習していく必要がある(少量の評価→次の提示が賢くなる)。
仕組みのコア
1. 埋め込み(embedding)
各意見をベクトル化し、「内容が近いほどベクトルも近い」地図を作る。
2. 評価データ(-2〜+2)
ランダムに数件を見せ、あなたの“面白さ”を点数で記録。
3. 予測(ガウス過程回帰など)
評価した点を手がかりに、地図上のまだ見ていない点の
予想の面白さ(平均) μ
不確かさ(幅) σ
を推定する。
4. 提示の戦略(UCB)
次に見せる候補は μ + 1σ(= UCB)が高いもの:
μが高い → たぶん面白い(活用)
σが大きい → まだ不確か(探索)
この和が大きいものを選べば、活用と探索のバランスが取れる。
実際の流れ(ステップ)
1. まずはランダムに20〜30件を提示し、-2〜+2で評価してもらう。
2. その評価を使って、埋め込み空間で面白さを予測(μ, σを計算)。
3. UCB = μ + 1σが高い順に次の5件を出す(似すぎを防ぐため多様性ペナルティも加える)。
元のメモにはないnishio.icon
Maximal Marginal RelevanceしたらいいとGPT5が提案している
4. 評価が増えるたびに予測を更新 → 提示がだんだん賢くなる。
直感的なたとえ
未踏の地図で美味しい店探しをする感じ。
**評判(μ)**が高そうな店だけでなく、**情報が少ない(σが大きい)**穴場も少し混ぜる。
そうすると見落としを減らしつつ、良店に早く辿り着ける。
用語ミニ辞典
埋め込み:文章の意味を数値ベクトルにしたもの。近い話題ほど近い点。
ガウス過程回帰(GP):近い点は似たスコアになりやすい、という滑らかさの仮定で**平均(μ)と不確かさ(σ)**を推定する方法。
UCB(上限信頼境界, Upper Confidence Bound):UCB = μ + 係数×σ。よさそう&未知を両方重視して選ぶ指標。ここでは係数=1(=+1SD)。
すぐ使える評価ルール(現場メモ)
スケール:-2(全然面白くない)〜 +2(とても面白い)
迷ったら0でOK(学習の邪魔にならない)
同じ項目がたまに再表示されるのは主観のブレ推定のため(品質向上)。
よくある疑問
Q: なぜ“+1σ”なの?
A: 係数が大きいほど“探索寄り”、小さいほど“活用寄り”。MVPでは1が扱いやすい。後で1.0〜2.0の範囲で調整すればよい。
Q: GPじゃないとダメ?
A: 近似(ランダム特徴×線形回帰)でも十分。まずは軽量版でOK。
これもGPT5が提案しているnishio.icon
Random Kitchen Sinks
Q: バラつきが大きい
A: 評価を重ねる/重複評価でノイズ推定/“似すぎ抑制(多様性MMR)”を強める、で安定する。