不誠実な無限
「不誠実な無限」という言葉でo3はヘーゲルの「悪しき無限」を連想したが、ここでは日本語での"不誠実な無限"というフレーズの用法について調べる
日本語で"不誠実な無限"というキーワードを使っている人たちがいるはずnishio.icon
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まとめ(先に要点)
日本語圏で「不誠実な無限」という語を日常的に使っているのは、ヘーゲル由来の哲学用語としてではなく、Web3・政治テック界隈の比喩表現として再解釈している人びとが中心です。特に 落合 渉悟(@shogochiai)とその周辺コミュニティ が提唱する「誠実/不誠実 × 有限/無限」の 四象限モデル で頻繁に用いられ、そこから Team Mirai 支持者・批判者、ブロックチェーン系イベント、個人ブロガーへと波及しています。以下では主な発信者と用例を整理します。
1. コア発信者
1.1 落合渉悟(sg / @shogochiai)
自らの四象限モデルで「↖︎(左上)=不誠実な無限」を問題視するツイートを複数投稿。(X (formerly Twitter))
これが最初かなnishio.icon
shogochiai 年金とかの制度設計って暗黙に論理に「無限」が入ってるんだけど、これが「そもそも無限になりえない」「将来世代から前借りしている」「ブラックスワンイベントに弱い」のどれかを満たすとすぐ破綻するんですよね。これを「不誠実な無限」と呼ぶことにした。で、次の制度設計も同じことをやる。
「不誠実な無限としての不死、いいねえ」など、概念を軽妙に展開する発言もある。(X (formerly Twitter))
1.2 tkgshn / 0xtkgshn
sg の概念を再編集した Scrapbox ページ「不誠実な無限」を公開し、対義語「誠実な有限」とセットで解説。(Cosense)
星暁雄氏の人権論批判を例に「何も言っていない議論=不誠実な無限」という批評枠組みを提示。(Cosense)
2. 派生的な利用者・コミュニティ
利用者/媒体 用例・文脈 参考
k-yamashita (@chekichekimusu1) 「チームみらいの“不誠実な有限”は…」と四象限を応用した政策論。 (X (formerly Twitter))
山下健吾 Scrapbox Team Mirai 批判記事で「無限に改善し続けるイデオロギー(=不誠実な無限)」を指摘。 (Cosense)
匿名 Twitter 論者 「『誠実な有限』と『不誠実な無限』の使い方が間違っている気がする…」と語義をめぐる議論。 (X (formerly Twitter))
ICP Japan ブログ 佐賀 Meet-up レポートで、社会システムを四象限で整理し「左上・左下=不誠実な無限/有限」と紹介。 (ICP Japan 〖公式/Official〗)
ICP HUB Japan 公式 X 同ブログのサマリーをポストし、概念を拡散。 (X (formerly Twitter))
Chama (@defi_chama) ブランド購買行動を「不誠実な無限」と対比し、ユニクロを「誠実な有限」に喩える。 (X (formerly Twitter))
Team Mirai 周辺の政治談義 「ポピュリズムは不誠実な無限」など、政策議論の診断ラベルとして使用。 (Cosense)
Web3/AI リスク勉強会記事 四象限モデルを使って加速主義を「不誠実な無限」と位置づける。 (ICP Japan 〖公式/Official〗)
Scrapbox コーパス 用語集ページで繰り返し言及され、簡易辞書として機能。 (Cosense)
3. コンセプトの意味合い(日本語圏での再解釈)
1. ヘーゲルの「悪しき無限」 の現代語置換
無限に外へ逃げ続ける姿勢を批判する点で同根だが、哲学的厳密さよりもメタファーとして使われる。
2. 政策・技術開発のアンチパターン
具体的な完成版を示さず「いつか良くなる」と言い続ける状態を指摘するラベルとして便利に機能。
3. Web3/AI リスク文脈
「加速主義」「無限成長」など制御不能リスクを負う立場への警句として広まっている。(ICP Japan 〖公式/Official〗)
4. 議論態度の批判ワード
表面的に“正しさ”をだけ掲げ中身を示さない発言を「不誠実な無限」と断じ、真摯な有限的提案を促す。(Cosense)
4. まとめと観察ポイント
実質的には sg 周辺の造語 が Twitter・Scrapbox・ブログを通じて拡散。
四象限図 が視覚的メモとして共有されることで、他者も容易に概念を引用・変形している。
今後は 政策評価やプロジェクトマネジメントのアンチパターン用語 として、Web3・政治テック以外へ波及する可能性がある。
このように、「不誠実な無限」は日本語圏オンラインコミュニティで独自進化したキーワードであり、発信源と用例を追うことでコミュニティ間の価値観・批判のラインが見えてきます。