ルールの変化と階層組織とスクラム
組織の隙間の明確でないタスクが拾われず、互いに自組織の守備範囲ではないと主張して組織間の亀裂が入る スクラムを取り入れたから良いということは無く、それぞれの企業に合わせた最適な組織構造から考えていくことが重要だと思います。 例えば、営業系や生産系の会社では「ピラミッド型」の組織が非常に効率的にワークします。社長も各部門のトップに「予算と期限はこれで、この結果を出せ」と指示さえ出していれば良い。
一方で、GROOVE Xの開発部門のように、よく方針が変わるようなケースでは「スクラム」などのアジャイル開発手法の方が機能する場合が多いかと思います。
これは何故かというと、たとえば「ピラミッド型」組織では、セクショナリズムと呼ばれるような、自セクションを守るような動きが生まれます。そして、結果的に方針が変わる度に自らの領域を”狭める”方向に組織は動きます。
その対策として必要となるのが組織と組織の境界と守備範囲をきちんと定義する「ルール」です。「この仕事はそちらの組織の管轄です」といったものですね。これによって、組織と組織の間を埋めることができていれば、「ピラミッド型」組織でも何の問題もありません。
ただし、一つだけ落とし穴があって、先ほど申した通り、よく方針が変わるような企業では、「ルール」が決まっていない範囲が頻繁に出現します。そして、しばしばそれは見過ごされてしまう。気付いたころにはお互いその部署間の隙間は拾わないと心に決めてしまっていて、誰も前向きにフォローできなくなり、組織間の亀裂が生じるといった事態が起こるわけです。
その点、スクラムのように責任分解点を流動的にし、仕事の期限にも幅を持たせるような組織運営であれば、タスクに安心して取り組めるので、変化への対応力が高く、組織間の亀裂が出来にくくなります。